[フランチャイズビジネス探訪]高齢者向けデイサービス
街を歩いていると、あちらこちらで「デイサービス」という言葉を見ます。朝夕にすれ違う車にも、「○○デイサービス」という名前を目にします。よく見かけるということは、それだけニーズがあるということですね。では、そんなデイサービスにビジネスとして取り組むには、どうしたらいいのでしょうか?
今回は、「介護通所サービス(デイサービス)」にスポットを当てて、フランチャイズビジネスとして取り組むための参考情報をお届けします。
通所サービス(デイサービス)とは
“通所介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。
利用者が通所介護の施設(デイサービスセンターなど)に通い、施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流もあり、施設は利用者の自宅から施設までの送迎も行います。“
(厚生労働省ホームページより)
日本では、高齢化により生活に介助を必要とする高齢者が増え続けています。特別養護老人ホームなどの介護施設では、入所待ちの人数がどんどん膨らみ、最近では介護度の高い高齢者しか入居できない事態が起こっています。この事態を打開するため、国ではなるべく寝たきり高齢者を減らし、元気に在宅で自立した生活を続けてもらえるよう、数々の施策を打ち出しています。つまり、自宅で過ごす高齢者の日常生活を支援し、生活機能を向上させるデイサービスへの社会的ニーズは、今後ますます高まっていくと考えられるのです。
デイサービスにはどんなものがあるのか?
それでは、フランチャイズビジネスとして取り組むデイサービスには、どのようなものがあるのでしょうか?具体例として、2つのカテゴリーをご紹介しましょう。
1.民家型デイサービス
民家型デイサービスは、一戸建ての家をリフォームして10名程度の小規模な通所サービスを行うものです。自宅に近い環境で過ごすことができるため、利用者にとって心理的負担の少ないサービスです。普通の家が基本なため、食事の支度や入浴のための特殊設備の設置が難しく、あくまでも家と同等が基本です。現場での調理が難しい場合には、配食サービスを利用することもあります。フランチャイズビジネスを始めるには、一軒家の確保とリフォーム費用が必要になります。
ご近所の寄り合い場の様な雰囲気で、一人ひとりにあったサービスをじっくり提供する施設を運営したい方にぴったりです。しかし反面、お互いの距離が近いため、利用者間、あるいは利用者と職員間など、人間関係のトラブルに注意が必要です。
2.リハビリ型デイサービス
リハビリ型デイサービスは、午前か午後の短時間を使い、それぞれの事業者の得意な分野でのリハビリを実施する通所サービスです。高齢者の介護予防・機能回復などを図り、長く自立した生活ができるよう支援するものです。受け入れ時間が少なく、リハビリに特化しているもので、日常生活支援ではなく生活機能向上に重点が置かれています。ビジネスを始めるためには、それぞれのフランチャイザーが提供するリハビリ(機能訓練)設備を導入する必要があります。
具体的な機能回復を目指すトレーニングが中心になること、午前だけあるいは午後だけなど、滞在時間が短いことが特徴です。既に整体やマッサージなどの事業を運営している方は、類似点が多いため取り組みやすいでしょう。
高齢者向けビジネスはマーケットの拡大が見込める分野
高齢者向けビジネスは、超高齢化社会を迎えるにあたりマーケットの拡大が見込める分野です。
しかし、法律が頻繁に改正されたり、煩雑な書類提出が必要であったり、初めて取り組むにはハードルが高いのも事実です。
こういう分野こそ、本部のサポートがあり、事業の中心である高齢者サービスの部分に専念できるフランチャイズビジネスが、ベストな選択ではないでしょうか。