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麺好きは日本だけじゃない!ラーメンチェーンの海外進出

今、海外では「すし」よりも「ラーメン」?!

日本の「すし」文化が海外で広く受け入れられていることは、皆さんもご存知のことと思います。
では、今や「すし」よりも「ラーメン」が人気なのをご存知でしょうか?
日清カップヌードルが世界中で売られていることは有名ですが、欧米では「スープ」という位置づけで、決して食事ではありませんでした。
しかし、今回ご紹介する「ラーメン」とは、外食レストランとしてのラーメン専門店が提供する「ラーメン」。何と、すしブームに続きラーメンブームが来たとまで言われているのです。

既に1000店舗を超え、まだまだ増殖中の海外ラーメン店。アメリカ、中国、そしてアジア各国に多いと言われますが、その他オーストラリア・ヨーロッパなどにも増えています。
最近では、フランスやドイツ、英国での人気が沸騰中とか。今や世界中で食べられる日本の味になっています。

日本国内と変わらない味が人気の秘訣

今のラーメンブームの先陣を切り、海外進出を果たしたのは、「味千ラーメン」(1994年)と「8番らーめん」(1992年)です。
「味千ラーメン」は、最初台北に出店したのを皮切りに、中国国内でチェーン展開しています。
今では中国国内に500店舗以上もの店を出しており、現地法人は2007年に香港株式市場に上場しています。

もうひとつの「8番らーめん」は、タイ国内で店舗数を伸ばしており、2016年7月現在タイ国内に111店舗を出店しています。
どちらも食文化の近いアジア圏を中心に拡大し、今ではすっかり現地に定着したと言えるでしょう。
出店する国に合わせた現地向けの特別メニューがあることも、その土地ならではの進化と言えるのかもしれません。たとえば、「8番らーめん」には、トムヤムクンラーメンがあり、いかにもタイという感じです。

一方、最近ランキングサイトなどでも高評価の海外ラーメンといえば、「博多一風堂」と「らーめん山頭火」。
これらのチェーンは、アジアはもとより、アメリカやヨーロッパ各国への出店を積極的に進めています。
どちらのチェーンも、日本国内と変わらない味を提供しており、かえってそれが人気の秘訣と考えられています。

海外でラーメンチェーンが成功するためのステップ

ご紹介した4つのラーメンチェーンの発祥の地は、さまざまです。
「味千ラーメン」は熊本県、「8番らーめん」は石川県、「博多一風堂」は福岡県、「らーめん山頭火」は北海道の旭川。
国内のどこであっても、人気ラーメン店になれば、海外進出が夢でないことを物語っています。
では、海外でチェーン店として成功するまでに、どんなステップがあるのでしょうか。一つのモデルをご紹介しましょう。

まずは、国内で人気ラーメン店になることがスタートです。そして次に、直営店を海外に出店します。
海外一号店をどこに出店するかは、治安や経済状況など、国内店舗とは違う観点での選択が必要なこともあり、大変難しい問題です。
また、どんな店にするかも大切です。今までの例を見ると、海外で人気が出たラーメン店は、国内とほぼ同じ店づくり、メニューを基本としていることが多く、「日本で人気のある本場の味」という事実が、現地の方に響くのかもしれません。

さて、様々な努力が実り、現地で行列のできるラーメン店になったとしたら、良いビジネスパートナーとの提携話が現実味を帯びてきます。こうして、資金のメドが付いたら、やっと海外でチェーン店として成功するスタートラインに着くことができるのです。

海外店舗の客単価は国内の2倍

「すしの次はラーメン」と言われるほど増加している海外のラーメン店。
あるチェーン店では、海外店舗の客単価は国内の2倍だとか。
ただでさえ少子化で先の見えない国内市場に見切りをつけて、成長分野としての海外進出を目指すのは、ビジネス的には必須なのかもしれません。

横浜のラーメン博物館も、2024年までにヨーロッパに進出する予定だとか。
さて、このラーメンブーム、いったいどこまで行くのでしょうか。もしかしたら、海外でラーメン店をあれこれ選べる日も近いのかもしれませんね。