福島県川内村に、タイのコーヒー・チェーン出店
東日本大震災から5年半。2011年3月17日以降、仮役場を郡山市にあるビッグパレットふくしま内に設置していた福島県川内村。2016年6月14日に全域の避難指示が解除されたが、村に唯一あった喫茶店も閉店し、住民の人々の憩いの場がなくなっていました。
そんな中、川内村に生まれた新しいカフェが話題を呼んでいます。『福島民友』によると、同村中心部の国道399号沿いのJA福島さくら川内支店向かい側にオープンしたのは、タイ最大手のコーヒー・チェーン店「カフェ・アマゾン」の日本1号店。「カフェ・アマゾン」は、タイ石油公社が運営し、タイ国内外に約15000店舗あります。『アジアトラベルノート』によれば、元々はガソリンスタンドに併設されるコーヒー・スタンドというイメージでしたが、現在では、高級ショッピングモールやオフィスビルにも出店し、そのイメージは徐々に変わってきているのだそうです。
それにしても、なぜ、福島県にタイのコーヒー・チェーンが出店? その背景を、『産経ニュース』はこう報じています。
もともと、エネルギー関連商品の開発事業を手掛けるコドモエナジー株式会社(大阪市)が生産販売する磁器製蓄光建材「ルナウェア」の生産拠点が川内村にあり、同社が、震災復興のため地域産業や雇用の創出に取り組んでいました。この復興プロジェクトにタイの「カフェ・アマゾン」やその親会社でもあるタイ石油公社が賛同し、今回のフランチャイズ契約につながったのだそうです。
カフェの内装には福島県産の木材をふんだんに使用。単に事業としてではなく、復興に貢献したいという同社の想いが込められています。東京大学教授の隈研吾氏、福島県木材協同組合連合会などが協力、地場産業を活性化させるハウスビジョンプロジェクトの実施店舗としても注目されている、とのことです。
気になるメニューは、主力の「アメィゾン(ホット)」やエスプレッソ、アメリカーノ、タイミルクティなどを250円~480円で提供。軽食やスィーツなどのフードメニューも増やしていく予定です。『福島民友』は、タイから応援にきたバリスタの声として「香りと苦味が強い現地の味を持ってきた。タイの人はシロップや砂糖を入れて飲んでいる」と報じています。
福島とタイを結ぶコーヒー・チェーン。この場所で、コーヒー片手に、どんな語らいが生まれるのでしょうか?