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NYCのハラル屋台、フランチャイズで世界へ

最近、よくレストランで見かけるようになった「ハラル」の文字。「一般社団法人ハラル・ジャパン協会」によると、「ハラル」とは、アラビア語で「許されている」という意味。

つまり、ハラル料理とは、イスラムの教えに則った食べ物だということになります。

一方で、反対に「禁じられている」という意味の言葉が「ハラーム(ハラム)」です。ハラームをノンハラール(ノンハラル)と言う人もいます。

人種のるつぼニューヨークでも、ハラル料理は人気。特に、マンハッタン区西53丁目と6番街の角に出店する屋台「ハラル・ガイズ」には、いつも長蛇の列ができています。

店の歴史は、1990年、エジプトからの移民3人がホットドッグ屋台を始めたことに端を発します。ですが、タクシーの運転手にイスラム教徒が多かったこともあり、92年から現在のような中東発祥のハラル料理を提供するようになりました。口コミなどで広がり瞬く間に人気店になり、特にスパイスの効いた羊肉のジャイロやチキンオーバーライスなどを求めて、人々が店を訪れます。

『New York Times』によれば、ランチタイムとともに、午後7時から午前4時という深夜~早朝の時間帯も開店していることもあり、タクシーの運転手のみならず、クラブ帰りの若者たちなどにも人気なのだそうです。

『Daily Sun』によれば、2014年にイーストビレッジにレストランを開店し、その後アッパーウエストサイド店の開店と同時にフランチャイズも開始した「ハラル・ガイズ」。現在では、シカゴやロサンゼルスのほか、インドネシアのジャカルタ、フィリピンのマニラなど海外の4店舗を含め、30店舗以上を持ちます。

本格的な世界展開を狙い、フランチャイズに協力するコンサルタント、ダン・ロウ氏は、「1カ月に1、2店舗をオープンする」と意気込みます。ウィキペディアによると、2016年12月17日には、韓国の梨泰院駅近くにも、開店しました。

有名な米国人のシェフ、クリストファー・リー氏も、このハラル料理を求めて、寒空の下2時間半も、クリスマスイブにマンハッタンの屋台の列に並んだとのこと。それほどまでしても、この味を試してみたかったのだそうです。

中東からニューヨーク経由で世界に上陸しているハラル料理の屋台。日本でも旋風を巻き起こす日は近いのでしょうか。