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世界のフランチャイズトップ20

アメリカのFranchise Directという会社は、毎年「世界のフランチャイズトップ100(The Top 100 Global Franchises)」というランキングを発表しています。最新の2016年版がどうなっているのか気になりますね。まず、2016年度の世界のフランチャイズトップ100の中から、上位20社をご紹介しましょう。

  1. McDonald’s(米:マクドナルド)
  2. SUBWAY(米:サブウェイ)
  3. KFC(米:ケンタッキーフライドチキン)
  4. Burger King(米:バーガーキング)
  5. Pizza Hut(米:ピザハット)
  6. 7 Eleven(米:セブンイレブン)
  7. Wyndham Hotels and Resorts(米:ウィンダムホテルグループ)
  8. InterContinental Hotels and Resorts(英:インターコンチネンタルホテルグループ)
  9. Hilton Hotels & Resorts(米:ヒルトンホテルグループ)
  10. Marriott International(米:マリオットホテルグループ)
  11. Domino’s Pizza(米:ドミノピザ)
  12. Groupe Casino(仏:カジノグループ)
  13. Dunkin’ Donuts(米:ダンキンドーナッツ)
  14. Jani-King Commercial Cleaning Services(米:ジャニキングクリーニングサービス)
  15. Taco Bell(米:タコベル)
  16. Carrefour(仏:カルフール)
  17. GNC Live Well(米:GNC)
  18. Baskin-Robbins(米:サーティワンアイスクリーム)
  19. DIA(西:DIA)
  20. Century 21(米:センチュリー21)

内容的には、ファストフード、ホテルチェーン、清掃業、健康食品、スーパーなどが上位を占めているのがわかります。20位までの中に日本のフランチャイズはありませんが、100位までのランキングを見ると、KUMON(公文)が40位に入っています。

このランキングによると、トップ100社のうちの32社が食べ物関係、11社が清掃関係、8社が車関係、6社が健康・美容関連、続いて5社がホテルと印刷関係となっています。確かにハンバーガー、ピザなどのチェーン店は世界中で看板を見ることができ、文字が読めない国に行っても、安心して注文することができますね。世界の大手フランチャイズチェーンの約3割がファストフード関係であることが実感できます。しかし、意外なのは約1割が清掃関係であることです。14位のJani-King Commercial Cleaning Servicesや22位のJAN-PRO Cleaning Systemsは、どちらもオフィスや学校、店舗やスタジアムなど、専門性の高い清掃サービスを提供しています。日本のダスキンも清掃関係ですから、この業種はフランチャイズビジネス向きだと言えるでしょう。

ここで、このランキングの算出方法をご紹介しましょう。Franchise Directでは、次の様な項目をポイント化し、その合計ポイントによりランキングを作成しています。

  1. フランチャイズの規模(会社が設立された国以外も含めて)
  2. フランチャイズが何か国で展開されているか
  3. 前年にどれぐらい成長したか
  4. フランチャイズの安定性と財務力
  5. 何年間フランチャイズを続けて来たか等
  6. 展開する国での教育とサポート体制
  7. 環境に対する配慮
  8. 社会的責任

実は、今回第1位のマクドナルドは、ランキングが始まった2009年、翌年2010年と2年連続で1位に輝いたものの、そこから今回までずっと2位でした。その間1位だったのは、サブウェイです。今回、久しぶりに1位に返り咲いたマクドナルドの、復活の秘密は何だったのでしょうか。

『マクドナルドのチェーン合計売上高は、2014年11月に過去10年で最低の水準に達していました。2015年3月に米マクドナルド社長兼CEOに就任したスティーブ・イースターブルック氏は、「ファストフード、ひいては外食産業におけるマクドナルドのポジショニングを、より現代的で進歩的なハンバーガー企業として再配置すること」と、「同社製品の品質について顧客の認知を高めること」を重点項目として立て直しに着手しました。』(米マクドナルド、ブランド復権の解剖学 ?彼らはデジタルで何を行ったのか? 2016/1/21 DIGIDAY[日本版]より)
記事によると、マクドナルドが具体的に行ったことは、「顧客の声に耳を傾ける」「デジタル化」等、目新しいものではありません。しかし、巨大ブランドとなったマクドナルドチェーン全体の意識改革に取り組み、結果的には下がる一方だった合計売上高を上昇させることができました。

今回は2位に甘んじたサブウェイも、マクドナルドと同様に、イメージの刷新に取り組むと表明しています。

マクドナルドやサブウェイに限らず、巨大フランチャイズチェーンの戦いとは、他チェーンとの競争というよりも、むしろ自分自身との闘いと言えるのかもしれませんね。2017年の結果がどうなるか、注目したいと思います。