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星空をフランチャイズ化

夜空に浮かぶ無数の星たち。星座にまつわる数々の神話を語り合い、宇宙の不思議に思いをはせる時間は、ひと時私たちを夢の世界に連れて行ってくれますね。でも、都会では夜空の星は数えるほどしか見えません。子ども達に夢の世界を伝えたくても、中々叶わないのが現状です。

でも、大丈夫。どこにでも星空を届けてくれるサービスがあるんです。

それが、「星空の宅配便(R)」。株式会社東京モバイルプラネタリウムが2008年に始めたサービスです。

“ひげじぃきむら”という愛称の木村直人さんは、子どもの時からプラネタリウムが大好きでした。月に一回、最寄りのプラネタリウムに行く日を心待ちにしていたそうです。その後、縁あってプラネタリウム解説員となってからは、その時代の最先端のプラネタリウム技術を使い、星空を子ども達に届けてきました。

しかし、どこにもそこから見える星空があるはずなのに、プラネタリウムという特別な場所に足を運ばなければ見られない星空に、違和感があったそうです。そんな中、デジタル技術によるプラネタリウムが登場します。

『2008年になると魚眼レンズ付高解像度プロジェクターとノートパソコンを使ったデジタル式の移動式プラネタリウムの試作機ができていました。これは科学館仕様のプラネタリウムの小型版です。恒星だけでなく、月や惑星を始め、流星や学習番組で必要な高度方位目盛など、従来の機能をすべて含む製品です。エアドームのスクリーンと組み合わせれば、全体のシステムが驚くほど小さくできます。そこで、それら全てを車に積み込み、出前式のプラネタリウム屋を始めてみようと決心したのが、2008年のようやく秋風が吹き始めた頃です。』(東京モバイルプラネタリウム公式ホームページより引用)

こうして、移動プラネタリウム事業の立ち上げを決心した木村さんは、まずは機材調達を始めました。5mのエアドームは、プラネタリウム先進国のアメリカ製を購入。投影機はかねてからの知り合いから、車載サイズのオリジナル品を調達。あとは、出来上がったモバイルプラネタリウムを『見たい』というお客さんを見つけることでした。木村さんは、とにかく子ども達に見てもらいたい、『一時間目算数、二時間目体育、三時間目プラネタリウムという風に、先生方が遠い場所まで子ども達を引率しなくても、プラネタリウムを見る機会を提供したい』(公式ホームページより)と考えていました。そこで、まずは地元の新聞に広告を出したところ、地元の図書館から注文が入りました。そのイベントが自治体の広報誌に掲載されたことで、テレビ取材が入り、一気に認知度が上がったそうです。

それから約10年。今では、ドームは5m(定員30名)、6m(定員40名)、7m(定員55名)の3種類となりました。また、一人で始めた東京モバイルプラネタリウムは、天文解説員3名を加え、4名での運営になっています。また、関西モバイルプラネタリウムと北陸モバイルプラネタリウムに、「星空の宅配便(R)」という事業名と、モバイルプラネタリウムの仕組みを提供しています。プラネタリウムがフランチャイズ展開するとは、驚きですね。

それぞれの地域の事業者も、木村さんと同様に星の専門家ばかりです。木村さんは、開業当時から、モバイルプラネタリウムが星のように全国各地に増えて、いつか全国のネットワークが組めたらと願っていました。それは、出来上がったネットワークが、まるで星座の様で素敵だという理由からだそうです。

モバイルプラネタリウムの星座が完成する日を楽しみに待ちたいと思います。