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真価問われる韓国フランチャイズ

『東洋経済日報』によると、韓国のフランチャイズ産業における雇用人数は、今年140万人に達する見通しです。2002年の56万人の2倍を超し、売上高も2倍以上の105兆ウォンと予想されています。

1988年のソウル五輪以降、欧米の食文化が急速に広まり、ピザやチキンのフランチャイズが増加したのがその背景と言われており、97年の通貨危機以降は、トッポッキやカフェがフランチャイズの主流になっているとのことです。

一方で、『Exciteニュース』は、韓国フランチャイズ界の問題点も指摘しています。「韓国のコンビニとカフェには、フランチャイズ経営で起業のハードルが低いという共通点がある。青年の失業率が高く、退職者の再雇用先が不足するなか、多くの人がフランチャイズ加盟店を経営することで固定収入を得ようとするも、著しい同質化によって異常に激しい競争に巻き込まれ、利益が出ないのだという」ことです。

「人口当たりのコンビニ密度が高い一方で、平均販売額は日本のわずか4分の1。……カフェもコンビニと同じ状況にある。5年前には至る所で見られたのが、今ではその多くが姿を消した。韓国では60%のカフェが3年続かず、5年以上営業している店舗はわずか29.8%しかないという」という統計結果もあります。

『中央日報』も、今年7月の、フランチャイズ店「ミスターピザ」創業者の逮捕劇を報じています。「ミスターピザ創業者であるチョン・ウヒョン前MPグループ会長は6日にパワハラ疑惑で逮捕された。親戚が運営する業者を間に挟んで加盟店主にチーズを高い価格で供給する方法で50億ウォンの不当な利得を得ていた容疑だ。また、脱退店主の店の近くに直営店を出す報復出店、自身の家族を幽霊社員として給与だけ得ていた疑惑も調査中だ」

2014年には「ジョーズフード」が加盟店にインテリア工事を強要して課徴金処分を受け、2015年にはトッポッキフランチャイズ「アタル」代表がインテリア業者から裏金を受け取った容疑で逮捕され1審と2審で実刑が宣告されてもいるようです。

こうした事態を受け、公正取引委員会は、懲罰的損害賠償制度を導入するなどの内容を盛り込んだ「加盟事業取り引きの公正化に関する法律」の改正案をまとめました。また、政界は、加盟本部のパワハラや非道徳的行為により加盟店が被害を受ける場合に賠償を要求できる別名「ホシギ防止法」を議論中とのこと。韓国フランチャイズ界の真価が問われています。