FCをもっと知ろう!

『働き方』をフランチャイズ化

なるか、「働き方のフランチャイズ」。京都、「佰食屋」

有給休暇100%消化制。子どもの送迎で必要な場合はフレックスタイム制。出産後復帰時、保育園入園が決まるまでの託児所費用会社負担。希望の出勤時間・退勤時間・勤務日数・勤務曜日を個別面談の上把握し、勤務に反映―――。そんな夢のような超ホワイト企業が、2012年に京都で起業した「佰食屋(ひゃくしょくや)」です。

『Business Insider Japan』によると、株式会社minittsが運営している国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」は、「本当に美味しいものを1日100食限定」で提供。社員たちは売り切って、就業時間通り、残業ゼロで帰るといいます。

さらに子育て中の人やシングルマザー、障がい者など多様な人材を正社員として登用し、現在は京都市内に3店舗を構え、いずれも30分から2時間待ちと盛況を見せています。

中村朱美代表取締役が大事にしているのが、「自分たちが働きたい会社」であること。そのために、前年度対比増や多店舗展開は捨てるといいます。

それでは、「自分たちが働きたい会社」の条件はなんなのでしょうか。その問いに対しては、「絶対に譲れないのは、『家族で晩御飯を一緒に食べられる』こと。」だそうです。

それと「もうひとつ大切なことは、『役割を明確化する』こと」だとか。「『集客』は経営者の責任。その代わり、毎日お店へ来られるお客さまへの対応‥‥『接客』は、現場の皆さんの責任」なのだそうです。

「会社に貢献している人が報われないのって、会社にとっていちばん不利益なんじゃないかと思うんです」と語る中村さん。

「仕事って本来、自分の人生を豊かにするためにあると思うんです。お金を稼いで、楽しく過ごすためのもの。でも多くの人が人生の大半を仕事に費やしてしまう。それってもったいないじゃないですか」

「いちばん大切なのは、家族や大切な人との時間。仕事以外の時間にこそ価値がある。だから、有給休暇も完全に取得してもらうし、その理由も『彼女と付き合い始めた日記念にご飯を食べに行くから』とか、『彼氏と旅行に行くから』とかで全然構いません」と。(Business Insider Japanより)

今後は全国に『働き方のフランチャイズ』を拡げて行きたいとか。

「いま、講演活動をしてるのはその一環なんですけど、『ワンオペ育児で、ちっとも父親が子どもと過ごすことができない』家族はいっぱいいると思う。私自身、子どもを育てていると、やっぱり『朝と夜は一緒に過ごしたい』って思うんですよね。そういうふうに暮らせる家族を、日本中に増やしたい」

ありそうでなかった、働き方のフランチャイズ制。たった1人の女性の「あったらいいな」から生まれた会社が、静かに働き改革の火を灯しています。