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FCで蘇る、宮大工伝統技術と知恵

北海道から大阪、そしてフランチャイズ事業へ。宮大工伝統の技術と知恵で、木組み工法の家を

北海道でおよそ60年間、宮大工伝統の技術と知恵で、木組み工法の家を提供してきた「木の城たいせつ」。

地域材を用い、北海道の冬に強い家を地元の人々に提供してきましたが、2007年、リーマンショックの影響で経営破たんの憂き目にあいました。

しかし、本当に良いもの、志のあるものは、自然淘汰の波に飲み込まれないようです。2009年には、大阪の住宅メーカー「創建」が、「この職人の技術を失うのは日本の損失」と業務を受け継ぎ、新たな挑戦を始めたのです。

再生当初は地域材100%の住宅を提供することに苦慮していましたが、2013年には、先代のポリシーを受け継ぎ、道産材100%住宅販売の再開を開始することができました。

また、北海道札幌市に130年前よりある石山神社の建て替え工事にも着手。同社ウェブサイトによると、「これまで神社仏閣の建て替えは、宮大工が長い年月をかけて行い、多大な予算が必要でした。しかし、近年は勧進(寄付)が集まりにくく、宮大工も不足しているため、建て替えが難航」「そのような状況のなか石山神社が提示してきた条件は、建て替え期間はわずか8ヵ月、さらに予算も大幅に削減されていました。その厳しい条件で建て替えをするために、主要構造部に地元のカラマツを使い、伊勢神宮からのご用材を加工し、本殿に使用。100年以上の使用を可能とするよう、高床基礎、積雪に耐えられる大屋根にも工夫を凝らしました」とのことです。

2016年には、熊本地震で甚大な被害を負った熊本県益城町に近い西原村で、地域のシンボルとして親しまれていた白山姫神社(熊本県阿蘇郡)を、無償で建築し寄贈しました。

『SankeiBiz』のインタビューに、同社会長の吉村孝文さんは、今後の計画をこう語っておられます。

「木組み工法を利用した家づくりを全国に広める計画だ。来年中にモデルルームを複数戸建設し、フランチャイズ展開に乗り出す。軌道に乗れば、プレカット工場を北海道以外にも建設する方針だ。木組み工法は地震に強く被害を大幅に減らせ、政府が推進する『国土強靭化』にも貢献できる。」「創建の住宅は外断熱を標準装備し、『家ドック』と呼ばれる月1000円の維持管理サービスも手掛けている。こうした新装備、新サービスと組み合わせて新時代の住宅を作り上げていきたい」

北海道から大阪、そしてフランチャイズ展開へ。思いを継いだ業務は、さらなる広がりを見せています。