FCをもっと知ろう!

農業のフィールドで芽吹くFC

ともに、トマトを作りませんか?

京都府福知山市六十内で独自のトマトづくりに夫婦で励む「小林ふぁ~む」(小林加奈子社長)が、今春からフランチャイズ事業(FC)を始めたと、『両丹日日新聞』が報じています。

昨年、大雨や台風で被災し、トマトがほとんど収穫できなかった経験から、ともにトマトづくりをする契約農家を募集。福知山や与謝野の人ら6軒が取り組んでいるのだそうです。

同社のウェブサイトによると、「小林ふぁ~む」は、「山の湧き水、澄んだ空気、昼夜の寒暖差など自然豊かな福知山の環境と気候を生かしてお米や野菜を作っている京都府福知山市の小さな農家」です。山と川と線路に囲まれた六十内(むそち)という集落に田んぼや畑があるのだそうです。

農薬は使わず、虫は1匹1匹取りのぞく。除草剤も使わない。そうやって手塩にかけて育てられた収穫物は、虫食いの穴があったりもしますが、「しっかりと野菜の味がする」と評判を呼んでいます。

「小林ふぁ~む」は、おばあさまが残した畑に鍬を入れたことから始まりました。

当時住んでいた大阪から片道2時間半をかけて車で福知山へ通っていたため、たいした作業はできなかったという小林さん。野菜の周りの草を抜いて水をあげるくらいだったそうでが、野菜の生命力はたくましく、形は悪いけど立派な野菜がたくさんできたのです。

2015年福知山に移住し、本格的に農業をするための準備を始め、2018年春には新規就農。「先輩農家さんの知恵を借り、勉強し、たくさん経験・失敗を繰り返し成長していきたい……そして私達らしいお米・野菜を作れるよう日々頑張っていきたいと考えています」と同社ウェブサイトにはつづられています。

同社のトマトは、完熟で収穫し、もぎたてを直送する「かなこ農法」で栽培しています。そのままの味わいを楽しめる「とまとのじゅ~す」は京都市内の百貨店で販売し、人気を集めており、昨年度は京都府の女性起業家賞で近畿経済産業局長賞にも選ばれました。

『両丹日日新聞』によると、生産にかかる期間は5月から8月末ごろまで。「小林ふぁ~む」では契約農家に対し作り方を説明し、肥料やミネラル、苗の提供、生産サポートなどをきめ細やかに行うとのことです。契約農家はハウスを持っていることが必須で、かなこ農法で土づくりから収穫までを手掛けることになります。

また、フランチャイズ事業は、規模の拡大や災害のリスクを避けることを目的に取り組むことにしたもので、契約農家は在宅でできるため、子育てや介護をする人なども対象としているということです。

農業というフィールドで、新しいFCのかたちが芽吹きの季節を迎えています。