FCをもっと知ろう!

KFCのモバイル戦略

あなたもKFCのオーナーに!

世界の工場であり、胃袋でもある中国。かの国に初めて外資系フランチャイズが上陸したのは1987年のこと。米ケンタッキーフライドチキン(KFC)でした。それから30年。今や中国は、拡大する経済を背景にフランチャイズ大国になろうとしています。

「ジェトロ」によると中国のフランチャイズビジネスは5000種類におよび、加盟店は100万店舗以上になります。地域別では北京の535社が最も多く、次いで上海(246社)、重慶(204社)、浙江(182社)、広東(180社)、四川(99社)、福建(97社)……と続きます。業種別にみると、小売が820社、外食(658社)、その他商業サービス(328社)と続きます。

中国に進出している外資系企業を見ると、売上高3862億800万元(約6.5兆円)、店舗数4200店。最も店舗数が多かったのは、最も古くから進出を果たしている米ケンタッキーフライドチキンだったそうです(2012年度)。

さて、そんな元祖外資系フランチャイズの米ケンタッキーフライドチキンが、新しいサービスで話題を呼んでいます。『AdGang』 によると、メインターゲットである若年層の客離れを食い止めるため、中国最大のSNSである「Wechat」を使ったデジタル施策を打ち出したというのです。それが、バーチャルストアです。

KFCのバーチャルストアとは、ユーザーに「Wechat」アカウント上にバーチャルストアをオープンしてもらい、フランチャイズ店のオーナーになってもらうというもの。店の外観やスタッフ、またメニューや割引クーポンなども自由に決めて自分だけのオリジナルストアをオープンし、フィードを通じて友達にアピールするのです。何とこのバーチャルストアでは実際にオーダーができるというのですから、驚きです。メニューを選んで表示されたバーコードを店舗で見せて支払いを行うことで、バーチャルストアのオーナーにインセンティブが支払われる仕組みになっているそうです(『AdGang』)。

この取り組みは、セレブや芸能人が自身のアカウントでも実施したことから大きな話題にとなり、200万人のユーザーが参加し、4,200万人民元(約6.6億円)という巨額の売り上げを記録しました。

“「Wechat」上のKFCバーチャルストア”は、毎年6月にフランスのカンヌで1週間開かれる、世界最大級の規模を誇る広告賞「カンヌ・ライオンズ」のモバイル部門で金賞を受賞しました。

元祖でありパイオニア、中国でのKFCの快進撃は、まだまだ続きそうです。