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代替肉普及はゴーストレストランで

「ベジタリアンブッチャー」は、オランダの代替肉メーカーです。従来の代替肉は、ベジタリアン向けに開発されたもので、味や食感が肉とは大きく異なります。しかし、ベジタリアンブッチャーの代替肉(プラントベースミート)は、普段肉を食べる方も十分通用する食材として注目されています。

今後市場が拡大するとして、2018年12月には、食品・日用品大手の英蘭ユニリーバの傘下入り。日本市場向けに、ベジタリアンブッチャージャパン(代表者:村谷幸彦)が設立されました。

今や世界では、肉食は環境に悪いとされています。それは、家畜の中でもとりわけ牛は計り知れないほどの食物と水を消費し、排出するガスは世界中の温暖化ガス排出の10パーセントにも上るからです。この点から、代替肉は「エコに寄与する」食品と考えられます。

また、遺伝子組み換えでない大豆を主原料とする代替肉は、ベジタリアン含め健康にとても良い食品で、今後需要がますます増えると予想されているのです。

しかしながら、従来の代替肉は、ベジタリアン向けの特殊食材であまりおいしくないというイメージが強く、どのように普及させるかが問題でした。

村谷代表は、ベジタリアン向け食材の流通に乗せる販売ではなく、お肉を日常的に食べる消費者向けの商品として流通させるという手法を思いつきました。その商品こそが、ハンバーガーだったのです。

しかし、独自のハンバーガーチェーンを構築するには膨大な投資が必要です。そこで、村谷代表はゴーストレストラン方式でのチェーン展開をやろうと考えました。それが、日本初ファストフード専門のゴーストレストラン「The Vegetarian Butcher Delivery」なのです。

加盟店募集のホームページからその考え方を紹介しましょう。

【ゴーストレストランとは?】
NY発祥のビジネスモデル。間借りするシェアキッチンで調理を行い、「UberEats」や「出前館」といったフードデリバリーサービスを通じて注文を受け、配達する仕組みで営業する飲食店です。
国内においてもデリバリー市場は急速に伸びており、軽減税率などの理由も後押しし今後ますます需要が高まると見込まれております。

【加盟メリット】
・既に飲食店を経営されている場合は、初期費用&設備投資が不要で始められます(ウーバーイーツ、出前館の初期費用は別途必要)
・売れなければ撤退もすぐに行うことが出来ます。
・人気カテゴリ「ハンバーガー」に出店可能!デリバリーに不向きな店舗様でも始めることが可能です。
・超簡単なオペレーションなので、店舗様の負担になりません。
・お店にとって新たな収入の柱を作ることが出来ます。
・プロモーション活動もすべて弊社が一括で行います。
・レシピも弊社が考えるので店舗様の負担になりません。(FCロイヤリティー)
・売上から10%のみ

つまり、このゴーストレストランは、既に営業しているレストランの厨房で、「The Vegetarian Butcher Delivery」を始めてみませんか?というもので、ゴーストレストランというよりも、厨房シェアという感じです。

また、代替肉という特性上、温めるだけですぐに使えるため、調理時間も1分。厨房オペレーションも簡単で、本業の調理との共存がやりやすく考えられています。

「通常のFC加盟とは違い、新たにお店を借りて出店する訳でもないので莫大な初期費用も不要ですし、飲食店であれば設備投資も一切不要で加盟料金もかからないので参入障壁がとても低いと思います」とベジタリアンブッチャージャパンの村谷代表。また「飲食以外にもマッチする業種があれば積極的にフランチャイズ加盟を募りたいですし、他業種とのコラボも積極的に行いたいと考えております」とも話します。

都市部でどんどん使われているUberEats。人気のハンバーガーカテゴリーで美味しさが認められたら、本来の目的である代替肉(プラントベースミート)の普及に大きな追い風となることでしょう。

今後の展開に注目していきたいと思います。