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中国ニューリテールの今

ニューリテールって何?

『日経BizGate』によると、ニューリテールとは、「インターネットを基盤にビッグデータなどを活用し、商品の生産、流通、販売の各プロセスにおいてオンライン、オフラインの融合を進めることにより、体験ベースの新しい消費スタイルを実現すること」で、アリババを創業したジャック・マー氏が提唱した概念です。

代表例は、アリババグループが展開するスーパーマーケットの「フーマー」でしょう。

フーマーでは、全ての商品にバーコードがついており、スマートフォンのアプリでスキャンすれば、産地など商品情報がその場でわかります。また、商品はアプリの「買い物カゴ」に入れ、レジでキャッシュレス決済をすれば、手ぶらで買い物を楽しむことができ、帰宅すれば商品が届いているというわけです。

『Exciteニュース』によれば、「3km圏内なら購入から30分で配達してくれる」といいますから、驚きです。

一方、「earth music&ecology」を展開する「ストライプインターナショナル」は、2018年にアリババの日本法人と戦略的パートナーシップを締結。以来、ニューリテールについて共同研究を重ねてきました。

『WWD Japan』は、中国法人ストライプチャイナの陶源(タオ・ユアン)総経理による、「ストライプの中国における成長戦略」と題したメディア向け説明会の様子を報じています。

中国法人ストライプチャイナでは、店舗俯瞰図にサーモセンサーによる温度マップを重ねたデータを用い、店内のどの位置に重点的に客が集まるのかを把握。これによって、「どんな商品陳列をすれば売り上げが伸びるかを、1週間ずつテストすることができる」のだそう。

さらに、店内に設置されたカメラで撮影された顔写真から個人を割り出し、これにより、優良顧客が店内に入れば即座に店長にアプリで知らせが届き、店内奥のVIPルームでケーキや日本のファッション誌でもてなすのだといいます。

ただし、そのような顔認証については、会員登録の際に了承を得た客のみに実施しているといいます。また、これら各店の店頭データは本部にもリアルタイムで共有され、遠方の店などは本部から指示を出すのだそうです。

もはやここまで来れば、SFの世界。オンとオフの境目がますます不明瞭になったニューリテールの風は、日本でも吹くのでしょうか?