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回転寿司は止まらない

新型コロナウィルスの脅威で感染対策というものが一挙クローズアップされるようになった昨今ですが、子供にも大人にも大人気の回転寿司レストランが行っている感染対策はどのようなものなのでしょうか。

回転寿司チェーンの大手スシローでは、3月9日にアルバイト店員の新型コロナウィルス感染が判明しましたが、該当店舗を20日まで休業し消毒作業等を行いました。新型コロナウィルス感染者の対応については、どのチェーンでも一定期間の店舗休業と消毒作業というルールを採っている模様です。

また、大手回転寿司チェーンのはま寿司、かっぱ寿司、元気寿司では、回転寿司の特徴である『回転レーン』での寿司提供を、個別注文品のみに限っています。

『回転寿司では誰が回っているお皿に触れたかわからない』と言われたら、改めてそんなリスクがあったのかとびっくりですね。同じようなリスクとして、ビュッフェ形式のレストランでは『誰が触ったかわからないトングに触れるリスク』が指摘されています。

さて、回転寿司レストランで避けられない『誰が触ったかわからない皿に触れるリスク』に、ずいぶん前から早々と対応していたチェーンがあります。

それが、くら寿司です。ご存知の方も多いかと思いますが、くら寿司では、回転レーンの上の寿司にすっぽりと円形のフタがかぶせられています。このフタは、「鮮度くん」と呼ばれるもので、くら寿司が特許を取得しています。

くら寿司のホームページでは、この「鮮度くん」の開発ストーリーを漫画で読むことができるのをご存知でしょうか。それによると、回転すしはもともとカバーがかかっているものだったそうです。しかし、そのカバーの汚れ等が問題となり、いつの間にか使われなくなったそうです。どうやら回転する間にどうしても起こる「乾燥」や「ほこり」は、当初から問題視されていたということですね。

あらためてその問題に取り組んだくら寿司では、1年半かけ「鮮度くん」を開発。ほこりと共に空気中を漂うウィルス(開発時にはインフルエンザウィルスを主なターゲットと想定していたようです)のシャットアウトも目的の一つで、今回の新型コロナウィルス対策では、その本領を存分に発揮しています。

そして感染対策とは関係ありませんが、くら寿司の回転レーンの上では、他にも様々な工夫がこらされているのです。

例えば、回る飲み物を固定する「飲料カップの搬送用ホルダー」、椀物のフタを固定する「椀用蓋止め具」などが、意匠登録されています。他にも、くら寿司に行ったことがある方なら誰でもご存知の「皿回収装置」(皿カウンター水回収システム)も特許として登録されています。これは、ポケットに入れられて回収された皿が、水で洗い場まで運ばれてくのと同時に、皿数がデジタル表示されるというものです。

しかし、実はこの仕組の一番の難題は『お客様がどうやったらお皿をこの装置に流してくれるのか』という部分でした。

その解決策こそ、皿が投入されたことを検知するのと同時に乱数を発生させて、当たりくじ表示を行う「ビッくらポン!」だったのです。5枚ごとに始まるミニゲームでは、当たるとくら寿司独自のガチャ玉がもらえます。大人も子供もこの景品目当てに5の倍数の皿数まで寿司を食べるのですから、「お皿を装置に入れてもらうため」という当初の目的を超える大成功と言えるでしょう。

さまざまな便利や安全を追求するアイデアで、回転寿司のレーンは今日も回り続けているのです。