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Society5.0で到来する未来社会のかたち

未来社会のコンセプト

前々回「SDGsで新たなビジネスチャンス」という記事の中で少し触れたSociety5.0について今回は詳しく見て行こう。

内閣府のホームページによるとSociety5.0は、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義されている。

我が国が目指すべき未来社会の姿として『第5期科学技術基本計画』において初めて提唱された。

つまり政府が掲げる「未来社会のコンセプト」である。

Society5.0以前の社会

これまでの社会は、Society1.0(狩猟社会)→ Society2.0(農耕社会) →Society3.0(工業社会) → Society4.0(情報社会)と移り変わっており、現在のSociety4.0(情報社会)に続くのがSociety5.0となる。

Society1.0は人類誕生とともに始まった狩猟や採取で成り立っていた社会である。獲物の動物や木の実などの収穫物が無くなれば移動していたと考えられる。

Society2.0は農耕・牧畜社会で、やっと人類は定住を始めより安定的かつ効率的に食物を手に入れるようになった。

Society3.0は農業に代わって工業が産業の主流になってからの社会。18世紀後半にイギリスから始まった産業革命以後の社会を言う。

そして今はコンピューターやインターネットが発達したSociety4.0情報社会である。

Society5.0で何ができるのか

現在のSociety4.0はコンピューターやインターネットのお陰で分野ごとにさまざまな情報を短時間で集められるようになったが情報の分野・種類によって管理する組織やサーバーが分かれているために、分野を横断する形の連携は難しい。

また、インターネットで得られる情報は玉石混交であり、大量のデータから求める情報を正しく分析し取捨選択するのには大変な労力が必要だ。

さらにさまざまな立場の人々、例えば高齢者、障がいを持つ人、性別の違い、国籍の違い、住んでいる場所の違いなどで、受けられるサービスに差が出てしまったり、個々のニーズに対応できなかったりする問題もある。

Society5.0は、IoT(Internet of Things)やビッグデータ、ブロックチェーン技術などの最新テクノロージーでこれらの問題を解決して行こうとしている。

例えば、IoTですべてのモノがセンサーとインターネット接続機能を持ち、身近なところでは、家電や家具、ドアの鍵、ペット用品などがインターネット経由でその都度状態を持ち主のスマートフォンなどに送ることによって、離れた場所から状況を把握し適切な対応をすることができるようになってきている。

これを使えば介護や育児またはペットの見守りなどに活用できる。

最近話題のブロックチェーン技術は、改ざんが非常に難しくデータのやり取りの履歴を消すことができない自律分散システムである。ひとつのシステムがダウンしても他でカバーでき、全体への影響が少なくてすむなど、安全にデータを保持していくことができる。

今後、少子高齢化がますます進んでいく日本では、AIやロボットを駆使して人材不足を補って行かなければならない。Society5.0で期待されている技術はこれからの日本にとって不可欠なものとなっていく。

Society5.0がもたらす社会

Society5.0は、社会にさまざまな変化をもたらす。

AIやロボットの利用が拡大し、産業経済は知識集約型経済へ移行する。また、再生可能エネルギーの利用が進み循環型経済へと発展していくだろう。

すでに無人店舗ビジネスや、ロボットやIoT機器のサブスクビジネスが一般化しはじめている。

このイノベーションの波に乗ってSociety5.0に適応するどんな新しいフランチャイズビジネスモデルが出てくるか楽しみである。