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フランチャイズビジネスを途中でやめるとき

すばらしい将来を夢見て始めたフランチャイズビジネス。でも、思い通りに行くとは限りません。どれだけ事前に精密な収支予測を行っていたとしても、やっぱり『お商売は水物(みずもの)』です。何とか開店に漕ぎつけたチェーン店を、続けられなくなるかもしれません。

さて、フランチャイズ店舖を閉めるには、自分の店を閉めるというのとはちょっと違う手続きが必要です。それは、本部との契約の配下にあるからです。始めるときに本部と交わしたフランチャイズに関する契約書の内容と、店を閉めたい事情・タイミング等により、手続きが変わってきます。どのような違いがあるかご紹介しましょう。

1.契約期間満了による終了

フランチャイズ契約には、通常であれば契約期間の定めがあります。この契約期間が満了するタイミングで閉店することは、契約違反でも不履行でもありません。そのため、通常違約金などの発生もありません。しかし、この場合の注意点があります。それは、契約更新をしないという意思表示のタイミングです。通常、フランチャイズ契約期間の満了後は、お互いの申し出がなければ自動的更新となっている契約が多く、もしも更新しない場合には、ある一定期間より前に「更新しない」旨の申し入れが必要とされています。6か月前などと設定されている場合もありますので、しっかり契約書を確認し、期間内に書面にて申し出ることが肝心です。

2.中途解約条項による任意解約

これは、契約期間の満了を待たず、中途で任意に解約を申し出るものです。契約書の条項に、このような場合の取り決めがある場合には、その決め事に沿って手続きを進めます。よくあるケースとしては、違約金を支払って解約するものです。それにしても、一定期間は申し出自体ができない契約書もありますので、まずはフランチャイズ契約書をよく確認することが必要です。もしも、このような中途解約の条項が無かった場合には、ケースバイケースになってしまいます。それまでの本部との関わりや信頼関係が大切になりますので、普段から真摯に業務を実施してきたかが問われることもあるでしょう。

3.合意解約・契約解除

2番の最後に出てきたケースバイケースの中で、お互いが「仕方ない」と認める理由での契約解除にも、二つのケースが存在します。
「合意解約」とは、フランチャイズ本部とチェーン店舖の双方が、「契約解除の理由」を受け入れ、双方の合意のもとに契約を中途終了する場合です。
「契約解除」とは、契約当事者の一方がフランチャイズ契約に定められた義務に違反した場合、あるいは倒産・破産など営業を継続できなくなった時などに適用される契約終了です。合意したというよりも、継続不能になったという意味合いです。

さて、ご紹介したいずれかの方法で契約終了した後は、しっかりした後始末が必要になります。契約終了に伴って、今まで利用していた本部提供の資料・ノウハウ等は、基本的には返却しなければなりません。閉店後に今までの店舗運営で知り得た知識を使うことも、厳しく制限されるのが普通です。ノウハウもお客様もこっそり引き継ぐ・・・というのは契約違反に問われる可能性が高いので、ご注意下さい。

何とかフランチャイズビジネスのスタート地点に立った時、だれしもゴールは成功と考えていることでしょう。しかし、予想に反してうまく行かないこともあります。まずは、そのような事態が起こらない様に努力することはもちろんですが、万が一の事態の準備をしっかりしておくことも、大切なことなのかもしれませんね。