FCをもっと知ろう!

チェーンシステムとは

チェーン店という言葉を聞くと、フランチャイズビジネスに加盟するフランチャイジーと思いがちですが、実はそうとは限りません。フランチャイズビジネスは、チェーンシステムの一つの形態にしか過ぎません。では、チェーンシステムにはどのようなものがあるのか、一つずつ見て行きましょう。

1.フランチャイズチェーン

フランチャイズチェーンとは、フランチャイザーが開発した店舗運営のノウハウ、商品などを、それを象徴する商標・サービスマーク・店舗名と共にシステムとしてまとめ、独立した事業者であるフランチャイジーに有償提供し、店舗を増やす形態です。お互いは、フランチャイズ契約で結ばれた独立事業体で、双方がお互いの利益のために努力する事業共同体と言えます。フランチャイジーは、運営マニュアル、研修などを通し、フランチャイザーが定めた一律の運営を行う義務があり、フランチャイザーは全体の価値を高めるための努力(広告、教育)を行う義務があります。

2.レギュラーチェーン

本部が店舗を作り、従業員を雇用し、営業する形態で、これを一般的にチェーンストアと呼んでいます。直営店のみで構成されており、アメリカではコーポレートチェーンとも呼ばれます。たとえば、コーヒーチェーンのスターバックスがこれにあたります。全体は一つの事業体ですので、出店計画や人員配置、運営方式など、本部がオペレーションします。

3.ボランタリーチェーン

ボランタリーチェーンとは、フランチャイズチェーンがFCと呼ばれるのに対し、VCと呼ばれています。FCは本部が中心となってFC店を増やしていくのに対し、VCは同じ商品を扱う小売店舖が横につながったグループを構成するのが特徴です。
日本ボランタリーチェーン協会のホームページでは、VCを次の様に定義しています。
『独立小売店が同じ目的を持った仲間達と組織化し、チェーンオペレーションを展開している団体をいいます。
ボランタリーチェーン(VC)には、フランチャイズチェーン(FC)と同様に加盟店を指導するチェーン本部が存在しますが、加盟店が主体となっているため、加盟店同士の横のつながりがある(相互助成が可能である)のが特徴です。』
VCの例としては、山崎製パン、寝具の西川、ギフトのシャディなどが挙げられます。

4.代理店

事業者が、本部が供給する商品について、あるエリアで独占的に販売する権利を取得する形態です。ただし、店舗名や運営方式についての決まりは緩く、ある独立事業者が複数の本部からの商品について、代理店契約を行うことも可能です。この代理店によく似た言葉に、特約店というものがあります。特約店とは、特定の本部とのつながりが代理店よりもやや強いものと言えるでしょう。各種保険商品(アフラックなどの医療保険、自動車保険や火災保険など)や化粧品、電化製品などが身近な例として挙げられます。

さて、1~4まで、さまざまなチェーンシステムをご紹介してきました。新規事業を考えるときには、1番のフランチャイズチェーンが一番取り組みやすいと言われます。それは、本部からの指導やシステムが既にあり、それにしっかり取り組むことで、ある程度知名度のある商売を行うことが可能だからでしょう。

普段、チェーン店と呼ばれるお店にも、さまざまな種類があります。あなたの周りのお店をそんな視点で眺めてみると、新しい発見があるかもしれませんね。