医療的ケア児×チョコレート=新規FCへ
そこは一見普通のチョコレート店。でも、ちょっと、一味違うんです。
2017年5月16日付の『読売新聞』によると、名古屋市名東区に、たんの吸引や栄養注入などが日常的に欠かせない「医療的ケア児」の保護者が、子どもを預けながら働けるチョコレート店がお目見えしました。
半田市の社会福祉法人「むそう」が運営し、2階の通所施設に子どもを預けて、1階の店で働く仕組み。障がいを持つ子どもがいる世帯への新しい支援のかたちとなりそう、と報じています。2階の通所施設には看護師が常駐し、子どもが遊べる部屋の他、おむつを替える場所や浴室を設けているのだそうです。
「むそう」のウェブページが開けば、このような決意表明が語られています。
「『生きにくさを抱える人』を かけがえのない存在であることを受け止め 共に生きる人がたくさんいる街。どのような支援があれば、そんな街をつくれるだろう。社会福祉法人むそうは 必要な時に、必要な人に、必要なサービスを提供し その人だけのかけがえのない人生を創り出せる場所でありたいと思います」
そのような思いの元、今回開設された仕事場。1階で扱われているチョコレートは、豊橋市の一般社団法人「ラ・バルカグループ」のものです。
同団体は、2003年、知的障がいをもつ3人のスタッフとともに、豊橋市でパン屋を開業。開店数カ月は真っ赤の赤字だったそうですが、翌年にはメロンパン専門店を開設。2009年には、タリーズコーヒーとコラボして、長野県松本市の信州大学病院内に7人の障がい者が働くタリーズ1号店を開設。その後、滋賀医科大学病院、高知大学病院、豊川市民病院、豊橋駅前と出店し、現在5店舗を全国に展開しました。
そして、3年前からショコラティエの野口和男さんとのコラボで、チョコレート事業を展開。障害福祉団体などに協力を呼びかけて、チョコレートの製造や販売を行う店をフランチャイズ形式で全国各地に開設。販売店としては豊橋本店を含め11店舗目で、今回の店舗で名古屋市初出店となります。
2つの団体のビジョンが重なってできた一つの場所。障がいのある人もない人も、チョコレートを媒介にして、いろんな人が集う場が、広がりつつあるようです。