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世界に拡がるQBハウス

目指すは年間来店1億人

駅や街角のあちらこちらで見かける格安カットのQBハウス。1996年11月に東京神田に1号店をオープンしてから20年。カット10分1000円(現在は消費税を入れて1080円)のサービスが当たり、店舗数は右肩上がりに増えてきました。現在では、国内542店舗・海外4か国で117店舗と、650店舗を超えています。また、2018年3月には、念願の東証1部上場を果たしました。20年間ずっと右肩上がりに成長を続けるQBハウスは、今まさに大転換期を迎えています。

QBハウスの創業者である小西国義さんは、『青山学院大学卒業後、昭和電工に入社。同社を退社後、「国家予算をいじる仕事がやりたかった」と、医療機器商社の経営に乗り出した。』そして、各地を営業で回る中、ホテルの理髪店での散髪中にふと思いました。『どこでも出てくるのはカット、顔剃り、洗髪がセットになった“定食メニュー“。待ち時間を含め、なぜ、長時間拘束されなければならないのか。』また、小西さんは同時に理髪店が後継者探しに困っていることにも注目しました。『息子は美容師や他の職業に就いて、店を継がない。この業界は若い人に魅力がない、若い世代に配慮していないと感じた』(メディアボックス記事より引用)

そこで、マーケットリサーチをしてみたところ、男性客の30%以上が理容店のありかたに不満を抱いていることがわかりました。ビジネスチャンスを発見したと確信した小西さんは、右も左もわからない理容業界に突如参入したのです。そして、6年半で約200店のチェーン展開を成し遂げ、業界にはQB旋風が巻き起こりました。

しかし、その道は平穏無事なものではありませんでした。『我々はお客様に新たな選択肢を提供しただけなのに、世の中にはそれを面白くないと感じている人がいるようです。正体不明の人物から、深夜に脅迫電話がかかってきたり、お店のシャッターの鍵穴に接着剤を入れられたりしたこともありました。それでも、ここまで来られたのは、お客様の支持があったからです。消費者が我々のビジネスの法律です。』(リーダーたちの名言集より)圧倒的な消費者の支持を力に、QBハウスは現在まで成長を続けてきたのでした。しかし、店舗運営会社の運命は、一筋縄では行きませんでした。

 

小西さんは55歳でQBハウスを創業。6年後の61歳の時には会長となり、上場を目指しましたが叶いませんでした。その後、運営会社であるQBネットの株式は、M&Aにより点々と彷徨うことになります。創業から10年後の2006年に、オリックスに株式を30億円で売却。今度はオリックスが上場を目指しました。しかしこれも叶わず、2010年には100億円でジャフコに売却されました。今回の上場は、ジャフコが購入価格の100億円で売却したインテグラルによるもので、『4度目の正直』です。

3月23日の東証1部上場の際、初値は公開価格(2,250円)を6%下回る2,115円でした。まだ上場直後ではありますが、中々苦戦を強いられています。元々格安ヘアカットが主力商品のQBネットは薄利多売型の商売で、少子高齢化社会を迎える日本国内では、今後大きな伸びを見込むことは難しいからと言われています。ではなぜ、投資家たちは何度も上場を目指したのでしょうか。

国内市場が縮小する中、QBハウスの次なる成長ポイントは、海外です。海外展開を成功させなければ、QBハウスの成長はありません。そこで、海外展開のための資金調達手段として上場を目指したのです。2017年には初めて米国ニューヨークに出店し、欧米への展開を開始しました。ニューヨークを選んだのは、ブランディングが目的です。実は、海外のQBハウスは、メイド・イン・ジャパンの技術が売りとされています。シンガポール、香港に続き、台湾でも徐々に店舗を増やしているQBハウス、ニューヨークでは、上場と同じ3月に、2号店をオープンさせました。

続々と世界に拡がるQBハウスの目標は、世界で来店者数年間1億人。10分1000円からスタートしたQBハウスが世界のQBハウスになるかどうか、今回のブランディング戦略が当たるかどうか、注目していきたいと思います。