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災害時にフランチャイズチェーンが担うもの

大きな地震や記録的豪雨など、日本列島に住まう私たちは、自然災害と付き合っていかなければなりません。そして、いざ災害が起こった時には、まず被災状態の中、自分や家族の命を守らなければなりません。(短期的対応)そしてその次に、元の生活に戻る『復興』への取り組みが必要になります。(長期的対応)

さて、東日本大震災や熊本地震を経て、今では災害後の短期的・長期的対応に対し、フランチャイズチェーンが担う役割が注目されています。まず、短期的対応としては、『帰宅困難者支援ステーション』という役割です。

“JFA加盟コンビニエンスストアは、地震等の大規模自然災害により、交通機関が途絶えた場合に発生することが予想される徒歩帰宅者を支援するため、昨年度から、各自治体と下記事業者が協定を締結し災害時帰宅困難者支援活動に協力しております。具体的には、協力店舗を「災害時帰宅支援ステーション」と位置付け、
(1) 水道水の提供
(2) トイレの使用
(3) ラジオ等で知り得た情報の提供
に対し支援するものです。(中略) また、同活動にはJFA加盟の外食チェーンも一部参加しております。“(JFA:日本フランチャイズ協会 ホームページより)

たとえば、関西広域連合(2府6県4政令市)ではCVS(10社)、外食(6社)が、首都圏九都県市(1都3県5政令市)ではCVS(14チェーン)、外食 (2チェーン)が自治体と協定を締結しています。

次に、長期的役割としては、被災地での商業活動の速やかな再開が挙げられます。たとえば、東日本大震災の時、日本を代表する二つの商業グループであるイオンとセブンアイホールディングスは、それぞれの特徴を活かし、その社会的な使命を果たしました。

イオンでは、まず移動店舗や仮設店舗をひらき、そして、いち早く大型のモール型ショッピングセンター開店に繋いで行く事で、町に賑わいを取り戻し、人々の復興のシンボルになりました。

セブンアイホールディングスは、セブン・イレブンで培ったフットワークの軽さを武器に、移動式ATMの設置などにはじまり、原発事故の影響で商業施設が戻りにくい地域にも小規模のコンビニを開店するなど、きめ細かい復興支援を担って行ったのです。

さて、災害支援の短期的、長期的支援を行うために、それぞれのフランチャイズチェーンが担う役割は具体的で、社会的責任が重くなっています。そのために、災害時に自分自身がいち早く復興し、商売を続行できるためのBCP(事業継続計画)に積極的に取り組んでいます。

イオンの例をご紹介しましょう。
『近年、地震や異常気象による集中豪雨などの自然災害が増加するとともに、テロや爆発 事故等、想定されるリスクが多様化し、BCPをいかに機能させるかが重要な課題となっています。(中略)イオンは、「情報インフラの整備」「施設における安全・安心対策の強化」「商品・物流に おけるサプライチェーンの強化」「事業継続能力向上に向けた訓練計画の立案と実行」「外部連携の強化とシステム化」の5分野でBCMを推進し、BCPを起点とするPDCAサイクルを早期に確立していきます。』(「イオングループBCM5カ年計画」より)

2018年6月に起こった大阪北部地震では、電車や高速道路が止まり、関西圏の経済活動に大きな支障がありました。また今回も、帰宅困難者の行列がTVで繰り返し放送されました。しかし、その中で水やトイレを貸し出したコンビニの姿があったのを覚えていらっしゃるでしょうか。私たちの安全と安心を支えてくれるフランチャイズチェーンの存在は、あちらこちらにあるからこそできる、いつでも開いているからできる、社会貢献と言えるのかもしれません。