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ご当地チェーンで食べ歩き -2-

普段何気なく通っているチェーンレストラン。全国どこにでもあるお店と思っていたら、実は自分の生活圏だけで、他府県に行くと全く知られていない…ということがあります。また、そのお店の名物がてっきり全国で食べられていると思ったら、地元の人しか知らないということも。

今回のその2では、そんなローカルなご当地チェーンのメニューの中で、料理そのものがローカルフードとして地域に定着・拡散した一皿をご紹介しましょう。

【洋食】

どういうわけだか、日本の各地に「ごはん」+「卵」+「フライ類」+「ソース」の組み合わせのローカルフードが存在しています。これらはよく似ている気もしますが、それぞれのこだわりがあって、やはり別の料理なのかもしれません。

■ハントンライス(石川県金沢市)

金沢のご当地名物「ハントンライス」。『ケチャップで味付けしたバターライスの上に、半熟の薄焼き卵と白身魚のフライを乗せ、タルタルソースをかける。一見するとオープンオムライスのようである。元々は、カレイ目の魚である「オヒョウ」を使った白身魚フライが乗っていたが、1976年に「ジャーマンあき」が初めてエビフライを乗せて販売した』(Wikipediaより)。上に乗っているフライは、白身魚・エビフライ・とんかつなどのバリエーションがあり、またソースもドミグラス・ケチャップなどの場合があるそうです。

■ボルガライス(福井県越前市/旧武生市)

「ボルガライス」とは、『オムライスの上にカツをのせソースをかけた洋食である』また、『オムライスの中身がチャーハンだったりピラフだったり、かけられるソースもドミグラスソース、トマトソース、中華風あんかけ、カツもトンカツではなくメンチカツだったりと提供する店ごとに特色がある』(Wikipediaより)。ボルガライスの普及を目指す「日本ボルガラー協会」の情報によると、ソースは色々と種類があるものの、『カレーでない』と決まっているそうです。

■トルコライス(長崎市、大阪市など)

ここでトルコライスに言及するのはとても難しいのですが、ローカルフードとしてトルコライスを紹介するのなら、長崎市周辺のものでしょう。しかし、内容で考えるのであれば、大阪市周辺のもので、ボルガライスやハントンライスと同様に、「オムライスの上にカツをのせソースをかけたもの」をトルコライスと呼んでいます。ちなみに、長崎市周辺のトルコライスは、ピラフ+サラダ+ナポリタン+トンカツが、一つのお皿にまとめて乗っている料理です。

【麺類】

■ローメン(長野県伊那市)

元々チャーローメン(炒肉麺)という料理が今やローメンとして伊那市のご当地グルメになりました。この料理のポイントは、蒸し麺と羊肉(マトン)です。この料理を考案した中華料理店が、生麺を日持ちさせるために蒸し、周辺で手に入る羊肉・キャベツを使って今から60年以上前に考案した料理だそうです。その後、ラーメンのようにスープがあるものや、焼きそばのようにソース味のものなど色々な形に発展し、今や市内の約90店で「ご当地グルメ」として提供されています。伊那商工会議所内には、『伊那ローメンズクラブ』という団体があり、ローメンの普及に尽力しています。

■イタリアン(新潟市)

私たちにとってのイタリアンとは、「イタリアンレストラン」で食べるパスタやピザというイメージですが、新潟では違います。新潟人にとってのイタリアンとは、「焼きそば」+「ミートソース」を指しています。バリエーションとしては、ミートソースがカレーやホワイトソースの場合もあるそうです。このイタリアンの展開には、新潟市の「みかづき」と、長岡市の「フレンド」という2大チェーン店の存在が大きいため、同じ『イタリアン』でも「〇〇のイタリアン」という競合があり、より地元を盛り上げていると言えるでしょう。

ご紹介したローカルフードは、地元の人にとっては「あたりまえ」のメニューですが、その他の地域では見ることが難しいものばかりです。あなたのご近所にも、地元民が愛するローカルチェーン、ローカルメニューがありますか?地元民にはわかりにくい「希少価値」で、うまく地元を盛り上げて下さいね。