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ワークマンが仕掛ける新しいPB

現場御用達だけじゃない!?

「行こうみんなでワークマン!」のCMでおなじみの株式会社ワークマンは、日本全国に約800店舗を擁し、工場・土木現場向け用品の専門店として、この分野で国内最大の売上げを誇る会社です。

関東地方を中心に北海道から九州地方までフランチャイズ展開をしており、地元の国道沿いで店舗を見かけたという方も多いと思います。

商品価格が比較的安く、「作業服のユニクロ」とも呼ばれることもあるそうですが、営業利益率は高く(8%)、主力購買層である現場作業員の勤務時間にあわせた営業時間の設定や、メーカーとの技術提携・共同開発によるプライベートブランドの展開等の営業努力が実を結んでいます。

さて、特定業種向けの商品で売り上げを伸ばしてきたワークマンですが、最近は一般消費者向け商品3ブランドを開発し大成功を収めています。

その内容をご紹介しましょう。

まずは、山登りやトレッキングの際に活躍するアウトドアウエアの「フィールドコア」。次に、ジムのトレーニングにも使えるスポーツウエアの「ファインドアウト」。最後に、釣りやバイク乗車時にも使えるレインスーツの「イージス」です。

3つのブランドをスタートした時期は多少違いますが、2年前から全国のワークマンで発売されています。

2017年3月期では30億円だった売上高は、翌年の2018年3月期に60億円に、更にこの2019年3月期は115億円に拡大する見通しで、主力商品として目覚ましい成長を遂げています。またこれらの商品のヒットにより、同社店舗では来店客の一般消費者の割合が全体の2割まで高まっています。

これら3ブランドは、当初は一般消費者向けに開発されたものでなく、あくまで従来顧客を対象に開発されたものでした。しかしそれが一部のバイクユーザーの間で評判となり、徐々にSNS等で紹介され、その価格の安さや防寒防水機能が注目されるようになりました。

この変化にすぐさま反応したワークマンは、好評だった「イージス」をマイナーチェンジし売り出しました。すると、発売前の段階で問い合わせが殺到する事態となり、なんと、フランチャイズ店からの発注だけで、当初予定していた生産分が全てはけてしまい、発売前に在庫がゼロになってしまったのだそうです。慌てて3000点を追加発注する事態となり、イージスは発売以来、初めての増産となったのでした。

このような背景から、同社はこの「フィールドコア」「ファインドアウト」「イージス」の3ブランドを中心に、一般消費者向けの防寒・防暑・防風・防水性や動作性などに優れた高機能ウエアに特化した新業態店「ワークマンプラス」を、ショッピングセンターに大量出店しようとしています。

東京都のららぽーと立川立飛にオープンした1号店は、売場面積60坪で年間売上げ目標は1億2千万円。同社は、当面ショッピングセンターに10店程度出店し、既存店と同レベルの採算性のめどを付け、続いてフランチャイズ化を進めて行く戦略です。数年で新規に100店を出店し、売上高120億円を目指しています。このアウトドア系3ブランドは、「ワークマン」でも継続して販売するとのことで、既存のユーザーへも配慮しています。

「価格は安いが、品質は本物。」同社が長年培った信念が、新たな顧客に認められ、花開こうとしています。

今年もそろそろ防寒衣類が欲しい季節ですね。週末にお近くのワークマンを覗いてみてはいかがでしょうか。価格以上の有能なアイテムに出会えるかもしれません。