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FC経て独立「リクチュール」

唯一無二の、履きつぶさないスニーカー

スニーカーといえば、履きつぶす消費財と考えられていたのは、今は昔。

今年1月に青山にオープンした「リクチュール」の廣瀬瞬さんは、スニーカーの新たな価値を生み出し続けています。

『WWD Japan』によると、スニーカーの宿命ともいえるのが、加水分解だそうです。アウトソールに含まれるポリウレタンが空気中の水分と反応して分解し、いずれはアッパーからソールが剥がれてきてしまうのです。しかし、廣瀬さんはスニーカーに革靴用のソールを付け替えるユニークな修理を施し、SNSなどで話題となりました。

『Pen Online』によると、1986年東京都生まれの広瀬さんは、20代前半で靴修理店に勤務した後、フランチャイズ店の経営のかたわら独学で靴づくりを学びました。そして、2013年には国分寺にリペアショップ「国分寺シューズ」を構えました。『WWD Japan』のインタビューに、当時を振り返ってこう語っておられます。

「当時は(革製品修理専門店の)『ユニオンワークス』のような、あくまで修理のスペシャリストを目指していた。店舗は駅直結で立地も良かったが、大手のチェーン店との競合があり厳しかった。修理の技術には自信があったが、それだけで差別化することは難しいと痛感させられた」

修理のさらに一歩先を目指した広瀬さんは、新品のスニーカーをお客さんの要望に応じてカスタマイズする路線を追求し始めました。そして今から2年前、広瀬さんは初めてカスタムスニーカーを制作したのでした。(朝日新聞Digitalより)

それは、ナイキ「コルテッツ」に、レッドウィング用のソールを装着したもので、世界にただひとつだけの靴。思いつきで作ったものの、「自分でも履きたいと思える納得の一足が出来上がった」と振り返っておられます。

また『WWD Japan』によると、「最近は誰もが知るようなブランドの公式イベントに招待され、オリジナル商品にカスタムを施したこともある。以前では考えられないことだ」とか。お店には国内外のスニーカー好きが集まっているようで、今後の展開が楽しみです。

FCでの経験を経て、独自の哲学を培った末に、スニーカーに新たな価値を付加することに成功した広瀬さん。その人生の軌跡には、常にスニーカーへの愛がほとばしっている様です。