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『赤い宝石』一粒1000円のいちご

プレミアムいちごが拓く未来

先日、何気なくテレビを見ていたら、先進的ないちご栽培で成功している会社が紹介されていました。

会社の名前は、宮城県の株式会社GRA。そして、そのいちごとは、「ミガキイチゴ」。

最上級のものは一粒何と1,000円。視察が後を絶たないと紹介されたその秘密は、栽培方法をふくむ、イチゴ栽培自体の先進性にありました。

『ミガキイチゴは、「食べる宝石」をコンセプトとした、複数品種のイチゴの統一ブランドです。品種だけではない、技術、製法、品質基準による果実の違いをブランド化しました。職人技とITを融合した最先端施設園芸により、高品質なイチゴの安定供給を実現しています。2013年度グッドデザイン賞を受賞しました。』(HPより)

テレビによると、いちごが吸収した栄養分を測るため、培養土は全く栄養分の無いヤシガラを使い、与えた肥料と廃液の栄養分の差を測っているのだそうです。なんだか化学工場の様ですね。

しかし、どれぐらい栄養を与えるか、温度制御をどうしたらいいのかなど、甘いいちごを育てるノウハウについては、ベテラン農家の経験値を数値化したのだそうです。人の経験がスタートになっていることに、少しほっとしました。

GRAでは、この栽培設備や品質基準をフランチャイズシステムにより展開しています。そして、収穫されたミガキイチゴを買い取り、販売しています。ホームページを見ると、食べるためのいちごばかりでなく、いちごのお酒、いちごのコスメなどの商品開発も行っていることに驚かされます。

さて、この「ミガキイチゴ」以外にも、プレミアムいちごの栽培方法をフランチャイズ化している会社があります。それは、新潟県のいちごカンパニーです。何と、この会社は、地元の建設会社「小野組」が手掛ける新規事業だそうです。

『いちごカンパニーで栽培されるイチゴは一般的なビニールハウスでの栽培とは異なり、LEDを使った閉鎖型植物工場で栽培されます。 温度・湿度を制御するだけでなく、二酸化炭素を使い光合成を促進させ、甘くて美味しいイチゴを生み出します。 気候に左右されず、品質の均一なイチゴをいつでも食べられるようにしています。』(HPより)

いちごカンパニーでも、その栽培ノウハウをフランチャイズ方式で提供し、各地にいちごの人工農園を増やしています。

そのひとつが、奈良県の「中村建設」が手掛けるいちご工場です。元々「小野組」の社長と親交があったことがきっかけで、『いちご工場』の西日本展開を始めたそうです。

中村建設の中村社長は、『イチゴを作るのが目的ではなく、建設会社なので植物工場を売るのが目標。年中イチゴを必要とする地域のケーキ店やカフェなどに、システムとノウハウ、工場建設をパッケージにして販売したい』(SankeiBiz)

また、この栽培方法だと、高齢者や軽度障害者も働くことができるため、地域の雇用を拡げることにもつながるとのこと。単にいちごの栽培にとどまらない、新しい社会産業と言えるのかもしれません。

いちごという商材の持つ魅力を使い、様々な新規事業として拡がりを見せるプレミアムいちご栽培。

今回ご紹介した「ミガキイチゴ」も「とろける香りいちご」も、いちごの美味しさはもちろん、その人工的な栽培方法に特色があります。

植物工場としてのノウハウや、それを組み込む建築技術にはじまり、雇用や就労への可能性による社会問題の解決など、未来はどこまでも拡がっています。

『赤い宝石』とも呼ばれるいちごの花言葉は「尊重と愛情」「幸福な家庭」「あなたは私を喜ばせる」「先見の明」だとか。

いちごの可能性を発見しそれを伸ばす技術の先に、みんなが喜ぶ未来があることを楽しみにしています。