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テクノロジーが拓く外食産業

外食チェーンの未来はテクノロジーが拓く

外食チェーンでは、深刻な人手不足により、営業時間の見直しなどの新しい取り組みが続いています。しかし、営業時間や営業日を減らすことは、そのまま売り上げ減につながることから、別の方法で人手不足に対応する必要に迫られています。

そんな中、取り組みが進んでいるのが、「レストランテック」と呼ばれるオートメーション技術です。レストランとテクノロジーの融合ともいえるこの新技術。いったいどのようなものなのかご紹介しましょう。

レストランテックとは、レストランのさまざまなオペレーションにIT技術を取り入れるものですが、大きく分けて3つの分野に分けられます。

1. 顧客向け
2. 店舗運営向け
3. 調理オペレーション向け

まず、顧客向けとはどのようなものかと言うと、「予約管理」や「電子決済」といった、顧客と店が直接情報のやり取りを行う部分のテクノロジーです。ネットからの予約、電子マネーなどによるキャッシュレス支払などは、双方にとって手間を減らすものですね。

次に店舗運営向けレストランテックとはどういうものでしょうか。これはレストランに限らない技術かもしれませんが、「在庫管理」や「仕入発注」、バイトの「シフト組み」や「賃金計算」などをテクノロジーで省力化するものです。

また、3番の調理オペレーション向けレストランテックとも関連するものとして、「デジタルメニュー」も外せません。各テーブルから直接キッチンに注文が届く「デジタルメニュー」は、フロント対応の人員の大幅な削減につながるばかりか、そのままがデジタルデータであることで、会計計算の正確性アップはもとより、バックヤードの在庫管理や発注などにもデータを直結させることが可能になるのです。

デジタルメニューを体感できる最も身近な例としては、回転寿司チェーンの卓上注文モニターがあります。今や、卓上注文モニターの普及により、回転寿司のコンベアは、画面で注文した寿司を運ぶための道となっています。『寿司がコンベア上を回転しているから回転寿司』なのではなくて、『回転するコンベアで運ばれてくるから回転寿司』という意味に代わる日も近いのではないでしょうか。

さて、3番の調理オペレーション向けレストランテックの代表例は、自動調理ロボットです。

中国では、すでに調理~配膳までをロボットが担うレストランがオープンしており、大変な人気となっています。アメリカでも、MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生が企画した自動調理レストランが人気だとか。どちらのケースもオープンキッチンの間取りとなっており、調理ロボットの様子を見れるというのが『売り』になっています。まだまだ新しい技術ではありますが、今後はどんどん広がるのではないかと予想されています。日本でも、2018年秋に長崎県のハウステンボスでAIロボットがたこ焼きを作る「OctoChef(オクトシェフ)」という店が開店し、話題を集めたのを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

一方、これらの様な話題作りというよりも、実際に人手不足を補う策として、餃子の王将チェーンでは、チャーハンロボットの導入が進められています。なぜチャーハンロボットなのかと言うと、もちろんキッチンスタッフを減らすためなのですが、それだけではありません。それは、中華鍋を振る職人不足への対応です。重い中華鍋を使う調理をロボットが担うことで、キッチンスタッフとして高齢者や女性の進出を図ることができるようになれば、より人材確保がやりやすくなるのです。

レストランの未来を救うレストランテック。ロボットが腕を振るう三ツ星レストランが登場する日も近いのかもしれませんね。