FCをもっと知ろう!

雨天がつなぐ新しいFCの形

傘は買わずにシェアする時代?

「ネイチャー・イノベーション・グループ」(東京・渋谷)が、横浜市中心部の関内・馬車道エリアで傘シェアサービス「アイカサ」の展開を開始と『日経新聞』(2019年9月2日)が報じました。

非営利任意団体の「アイカサ横浜」(横浜市)とフランチャイズチェーン(FC)契約を結び、9日から2020年9月末まで実証実験を行うそうで、歩行者の移動状況の分析や地域活性化につなげるのが目的とのこと。

今回のFC展開は初の試みで、今後の事業拡大に弾みをつけたいと意気込みます。

アイカサは専用の傘立てを街中などに設置し、傘を1日70円で貸し出すサービスです。2018年12月にサービスを開始し、鉄道各社と組むなどして東京都内を中心に傘立ての設置を進めてきました。

使い方は簡単で、傘のQRコードを読み込めば、ロックが解除されて貸出OK。返却の際も、同様に返却QRコードを読み込みます。借りた場所とは異なる場所に返却しても良いのだそうです。

同社ウェブサイトによると、設置に必要な傘立てなどは同社が用意するため、加盟店の初期投資は0円。また、借りるときも返すときも来店の機会となるため、「雨の日に他店と差別化を図る最適な集客ツール」と謳っています。

『BUSINESS INSIDER』によると、「アイカサ」を運営する「ネイチャー・イノベーション・グループ」の創業者で社長を務めるのは24歳の社会的企業家、丸川照司さんです。

日本の大学で化学を学んでいましたが、社会起業家の駒崎弘樹さんらに感銘を受け、さまざまな社会問題の解決に取り組むソーシャルビジネスを志すようになったそうです。

2015年に大学を中退し、経営や途上国ビジネスについて学ぼうとマレーシアの大学に入り直したという丸川さん。「グラブ」や「ウーバー」といったライドシェアサービスが当たり前のように使われる現地の生活で、シェアリングエコノミーへの関心が強まったとインタビューで語っておられます。そして「日本でシェアリングビジネスをするなら、傘!」と、ひらめいたそうです。

東京オリンピックがある2020年までに「3万本」まで増やすのが当面の目標とのこと。外国人観光客のニーズも取り込んでいくということで、ますます傘フランチャイズは大きく花開きそうな予感です。