FCをもっと知ろう!

笑顔を運ぶキッチンカー

フードトラックカンパニーの秘密

都心のオフィス街のランチ時。ビジネスマンの皆さんが、あちらこちらのキッチンカーでランチをテイクアウトする姿が日常的に見られます。おしゃれなカフェやビストロのような外観の車からは、出来立ての料理の香りがおいしそうに漂います。

肉フェスやラーメンフェスのようなイベントの時にも、有名チェーンやローカルチェーンのキッチンカーが活躍しています。ずらっと並んだ有名店の看板を一つずつ眺めながら、お目当ての店を探すのが楽しいですよね。何でもない広場がフードフェスティバル会場になれるのは、キッチンカーが活躍しているからに他なりません。

そんなキッチンカーを、もっと簡単に利用してほしいと日々活動している会社があるのをご存知でしょうか。

その名も『フードトラックカンパニー』。そのウェブサイトには、『株式会社フードトラックカンパニーは移動販売事業者の開業を応援し、移動販売事業の儲けを作り出すための移動販売車・キッチンカーを製作する会社です。』と書かれています。

また、色々なキッチンカーが紹介されており、サイズ毎にどのような長所・短所があるのか、費用はいくらぐらいかかるのか、大きな写真を使い事細かにわかりやすく説明されています。

その上、実際にキッチンカーを使い開業したいという方向けに、キッチンカーの試食見学会が開催されています。

この「試食見学会」の3つのポイントは、
1.利益の出る商品の試食ができること。
2.移動販売の売上の作り方のノウハウを聞けること。
3.試食見学会に参加した人へのキッチンカーのしつこい営業を行わないこと。

すでに参加者は5,000人を超え、直近の試食見学会も20名の定員は満員御礼となっており、人気のほどがわかります。

さて、試食見学会に参加しなくても、サイトを見るだけで、『儲かる理由は利益の上がる“商品”にある』等、色々なノウハウが惜しげも無く公開されています。特にキッチンカーに興味が無かった私でも、ビジネスできるかもという気持ちになりました。

一体なぜ、こんなにも親切に情報を公開しているのでしょうか。・・・実は、その秘密は経営者にありました。

フードトラックカンパニーを経営するのは、浅葉郁男さん。まだ三十代半ばの好青年です。

浅葉さんは、大学卒業後広告代理店でのサラリーマン期間を経て、仲間と一緒にネットビジネスで起業しました。その事業が順調に軌道に乗り、会社を売却。この成功体験から、新しいサービスを育て、丸ごと売却するというビジネスを仲間と一緒に広げていきました。

しかし、ネットビジネスを運営している時に感じた「人と対面で関わる仕事をしたい」という気持ちから、移動販売をやってみようと思いつきました。そして、最初にキッチンカーで始めたのが『焼き芋屋』でした。

仕入れが簡単で、保健所の認可も不要。調理も簡単で、何よりも欲しかった人の繋がりを感じられる素晴らしい経験だったそうです。ただ、キッチンカーで商売を行うノウハウは誰にも教えてもらえず苦労したといいます。

その経験から、キッチンカーでのビジネス立ち上げノウハウを、ネット上で少しずつ公開して行ったのです。

自分自身が困ったところ、誰かに先に聞いておきたかったところを詳しく公開することで、一人でも多くの人にキッチンカーで成功してもらいたかったからでした。それが、今のフードトラックカンパニーの原点なのです。

6年前に立ち上げた『焼き芋屋』は、銭湯の前。買う人も買わない人も、通りすがりの誰もが声をかけてくれて、休日に街ですれ違っただけなのに、「焼き芋屋のお兄さん」と呼んでくれたそうです。

こんな暖かいコミュニケーションを拡げるツールとして、対面販売のキッチンカーをもっと広めたい。みんなに商売で成功してもらいたい、そんな浅葉さんの思いが、今日もどこかの試食見学会で広まっているといいですね。