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全米を席巻したチキンサンドの秘密

今、アメリカで最もHOTな食べ物と言えば、チキンサンドイッチです。サンドイッチと言っても見た目はハンバーガー。つまり、ハンバーガーの牛肉パテがフライドチキンに変わったものと言うのが一番近いかもしれません。

フライドチキンチェーンの「Popeyes Louisiana Kitchen」が満を持して発売したチキンサンドは、発売2週間で2カ月分の在庫を完売。2か月後に再度発売したところ、今度はどの店舗にも長蛇の列で大騒ぎになった様です。

一体なぜこのようにチキンサンドが人気なのでしょうか。実は、そこには日本未上陸のあるチェーン店の存在があるのです。そのチェーンとは、「Chick-fil-A(チックフィレイ)」です。

1946年、創業者であるSamuel Truett Cathy氏は「Dwarf Grill」という名前のダイナーをアトランタ郊外のヘイプヴィルにオープンしました。フォードの工場近くのこの店は、労働者の食事場所として繁盛しました。それから約20年後の1967年、最初のチックフィレイがにアトランタのグリーンブライアー・モールにオープンしました。その後、各地に大規模ショッピングモールが開発されていくのに合わせ店舗数を伸ばし、最近の独立店舗を含め、全米に2,300店舗を擁する一大ファストフードチェーンへと成長したのです。何とその売上高は、マクドナルド、スタバに続き、全米第3位というから驚きです。

チックフィレイのチキンサンドは、鶏胸肉をフライしたものを、バターが多めのバンズに挟んだもので、チキンのほかには薄いピクルスが2枚入っています。しかし、なぜこれがそんなに人気なのかと言うと、その美味しさが挙げられます。フライの油はピーナッツオイルで、圧力をかけながら短時間に調理しています。これにより、カラっと揚がって尚且つジューシーというチックフィレイならではの食感が生まれるのです。

日本と違い、欧米では鶏肉と言えば胸肉が主流です。ともすればパサパサの食感になりがちな鶏胸肉を、独自の調理法で美味しく素早く仕上げるチキンサンドは、大変な人気となったのでした。

しかし、チックフィレイの人気の秘密は、美味しさだけではありません。食品科学者、栄養士、およびシェフなどの食の専門家が協力して開発するイノベーションセンターでのメニュー開発、健康志向の顧客向けメニューの提供、トランス脂肪酸除去などに代表される食の安全に対する取り組みなど、絶えず顧客のための努力を続ける姿勢も、顧客から支持される要素と言えるでしょう。

また、チックフィレイの「ファンとのコミュニケーション術」も独特です。たとえば、「First 100 Campout」というイベントは、店舗オープンの前日に、店舗前でキャンプをしてくれた顧客100名に、1年間の無料サービスを渡すというもので、大きな話題作りになっています。

さて、チックフィレイの人気を支える大切な要素で忘れてはならないのが「人作り」です。チックフィレイの従業員に対する顧客満足度は、全米ナンバー1と言われているのですが、一体どうしたらそれを実現できるのでしょうか。

会社が様々な研修プログラムを準備しているのはもちろんですが、それだけに留まりません。

たとえば、従業員の「将来のビジョン」を実現するための学費を提供したり、従業員の家族が病気になったら家族の食事のサポートまで!

「従業員が会社から大切にされていると感じることで、モチベーションが上がる」という経営者の考えが、全米ナンバー1の人づくりに繋がっているのです。

チックフィレイの経営者が敬虔なキリスト教信者であることや、従業員にとって休息が何より大切であるという考えから、チックフィレイは全店で日曜日が休業日となっています。

美味しいチキンサンドを提供するファストフードチェーンは、顧客からも従業員からも支持されて、いつかマクドナルドを超える日が来るかもしれませんね。