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眠らない街の変わらない純喫茶

全日本コーヒー協会発表の「喫茶店の事業所数及び従業員数」によると、国内の喫茶店事業所数は1981年にピークを迎えました。

当時は15万軒ほどあった喫茶店は、年を追うごとに減少を続け、2016年時点ではおよそ6万7000軒といいます。

そのような中、新宿にあるレトロな純喫茶が2号店を西新宿に出店しました。店名は「珈琲西武」です。

『IT mediaビジネス』によると、新宿三丁目にある1号店は1964年にオープンし、今年で55年目を数えるほどの老舗純喫茶です。喫茶店チェーンでは、200円台からコーヒーが飲める店も増えている中、珈琲西武のコーヒーは最低でも600円。それでも、曜日を問わず入店待ちの行列ができるほどの人気ぶりなのだそうです。

『新宿経済新聞』によると、本店同様、昭和をモチーフにしたモダンな内装で、特徴となっている大きなステンドグラスの照明は松本の老舗工房「松本ステインドグラス製作所」のものだそうです。

純喫茶とは言えお料理のお味の方も、自家製デミソースを使った「新宿特製オムライス」(950円)や「西武カレー」(800円)など、本店の伝統を引き継いでいます。

専務の方山成朱さんは、「純喫茶が物珍しい若い方や外国人など数多くの方が来店してくださっていることもあり、2020年東京オリンピックを控えたこのタイミングで2号店を出店しようと考えた」と『新宿経済新聞』のインタビューに答えておられます。

珈琲西武がこだわっているのが「非効率」だと言います。珈琲西武の運営元である新宿メトログループに属する三信商事(東京都新宿区)の村山拓さんは、『IT mediaビジネス』のインタビューで「言葉を選ばず言えば、極力無駄なことをやろう、というのが大きなこだわり。だから、手作りできるものは手作りをする」とおっしゃっていました。

「新宿メトログループ」ウェブサイトの企業概要にはこうあります。「私たちは戦後の混乱期から新宿の街とともに今日まで歩んできました。当時の街からだれが今の高層ビルが建ち並ぶ新宿の姿や賑わいを想像したでしょうか。私たちは時代時代にあわせて、人と人のつながり、地域と人のつながりを大切にしてきた結果、さまざまな人に愛され、さまざまな地域とともに発展することができたのです。まわりのすべての人に感謝し、地域とともに歩み続けること。それが、私たち新宿メトログループの存在意義です」

眠らない街・新宿の歩みを見つめて70年超。東京オリンピックという新たな時代に、1杯のコーヒーを挟んで、どんな会話が交わされるのでしょうか。