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花開くクラウドキッチン

最近よく耳にするようになった、「クラウドキッチン」に「ゴーストレストラン」。ネット注文に特化した、キッチンのみを保有する店舗や、デリバリーに注力した飲食店といったビジネスモデルに、注目が集まっています。

そんな中、飲食店のアイドルタイムと人気のフードデリバリーブランドを繋ぐ「クラウドフランチャイズ」事業を展開する「CLOUD FRANCHISE」が、THE SEED、野口圭登氏、西尾健太郎氏を引受先とする資金調達を実施したことを明らかにしました。具体的な金額は非公開ですが、数千万円規模の調達になるということです。

株式会社CLOUD FRANCHISEは2018年4月創業(代表:桑原竣亮氏)。『Tech Crunch』によると、飲食店の空き時間にフードデリバリーブランドを導入し、飲食店スタッフがデリバリーメニューを調理した上でUber Eatsなどを通じて顧客に届けたりする事業に参画しいます。たとえば夜だけ営業をしている焼肉屋や居酒屋が、お昼の空き時間を使って“副業的に”ゴーストレストランを経営するようなイメージです。

 一方、THE SEEDは20代の広沢太紀社長が立ち上げたベンチャー・キャピタル。『日本経済新聞』によると、広沢社長は「イーストベンチャーズ」などでシード期の企業の投資を経験してきました。「大学の同級生など同年代が相次ぎ起業するなか、自分もベンチャー・キャピタルを立ち上げて起業家と長くつきあえる関係をつくりたいと思った」(広沢社長)のだそうです。

デリバリー用のメニューは冷凍された状態で飲食店に届き、電子レンジで温めたりするなど簡単な調理だけで済むため、飲食店側の負担が少ないのが特徴です。飲食店は空き時間で新たな収益源を作れるとのこと。

一方のデリバリーブランドにとっては、フランチャイズ形式を採用しているため、自社ブランドの店舗をコストを抑えながら、複数のエリアに一気に進出することもできることが魅力です。

「CLOUD FRANCHISE」は両者をマッチングする立場となりますが、『Tech Crunch』のインタビューにて、桑原竣亮氏がこう語っておられます。「キッチンスペースや冷蔵庫などの大きさなど飲食店側の設備の特徴に加えて、たとえばカレーがよく売れるエリアなどエリアごとの特性も踏まえて提案している。あくまで本業に支障が出ない範囲という前提で、最初はだいたい5つのメニューで毎日20食の注文が入るようなイメージで導入してもらっている」。

飲食業に撒かれた新しいビジネスモデルの種。一挙に花開いていくことになるのでしょうか。