新車が納車されない!? 自動車業界に広がる波紋
自家用車から新しい自動車の使い方へ
現在(2022年5月)、自動車の新車納車時期が大幅に伸びている。
通常なら、一般的な車種で1ヵ月~2ヶ月程度の納車期間が、多くの車種で4ヶ月を超え、中には1年以上かかる車種もあるらしい。
世界的な半導体不足の影響が主な原因だと言われているが、新型コロナで都市がロックダウンしたりして休業状態になっている東南アジアの工場の不安定な供給も大きく影響していると言う。
半導体不足にせよ海外下請け工場の稼働状況にせよ、日本国内からのコントロールが難しい事態で、いつ供給が安定するのかの正確な予想はできず、先行き不透明な状態だ。
カーディーラーには展示用の新車すらなかなか納車されず、新車購入者も思いがけなく伸びた納車期間のせいで現在乗っている自動車の車検を新たに通す必要が出てきたりと、トラブルの火種は尽きない。
そんな中、新しい自動車の持ち方を模索する動きが高まっている。
そもそも今回の新車納期遅れ以前から、若者の自家用車離れは度々指摘されてきた。
特に都市部では駐車場不足で料金が高いなど維持費が高騰し、渋滞も多いため公共交通機関を利用する方が時間的にも経済的にもメリットが大きいと考える人が増えたからである。
とは言え、交通の便の悪い場所へ出かけなければならない時やちょっとした旅行にはやはり自動車は便利なもの。
「普段ずっと維持するのはお金が掛かるから嫌だがスポットでは使いたい」というニーズにぴったりなのがカーリースなどの車のサブスク、カーシェア、レンタカーなのである。
経済産業省の2022年4月の「産業動態統計速報」によると、レンタル・リースを含めた自動車賃貸業の動向は売上高が前年同月比+1.3%と7ヶ月連続の増加になっている。
コロナ禍で一時は落ち込んだ時期もあったレンタカーだが、ここに来て息を吹き返してきた。この追い風にうまく乗ればビジネスとしての伸びしろは十分に見込めるのではないだろうか。