コンサルタントコラム

儲かるビジネスモデル!宅配・ケータリング

堀部 太一

(株)船井総合研究所 経営コンサルタント(飲食/弁当・惣菜 )  堀部 太一

1. 仕出し・宅配業の業績アップ
2. 飲食店の業績アップ
この2点を重点的にコンサルティングさせて頂いております。
「本気で地域一番を目指す」「本気で永続企業を目指す」といった本気の経営者様とお付き合いさせて頂いています。

宅配・ケータリングビジネスの一番良いところは『売上』と『名簿』が比例するというところです。つまり売上げが『積み上げ式』というところが一番大きなポイントです。

宅配・ケータリング業界のポイントは3つ

営業利益率の高い儲かるビジネス

3つのポイントのひとつめは、先に挙げた『売上』と『名簿』が比例することです。2つめは、そもそもの営業利益率が高いビジネスだということ。そして3つめが今の社会情勢に合っているというところです。

さて『宅配・ケータリング』の定義は、大きな分類としてケータリング、デリバリー、お弁当宅配の3つに分かれます。そしてこの3つに共通して言えることが『営業利益率の高さ』です。

実例!儲かる収益構造を作るための経費分析

実際儲かるケータリングの管理会社さんが、どういったPL(Profit and Loss statement / 損益計算書)の構造をもたれているのかと言うと、売上を100とすると、まず、食材が27%と、包財が8%の、計35%が食材原価で、これが一番大きなコストです。次に人件費が大体20%。ひとりあたりの1時間あたり生産性が1万円ぐらいの生産性をつくることができるので、人件費を20%ぐらいに抑えることができます。そして、物流コスト。宅配をやる上で、物流のことをあまり考えられない方も多いのですが、物流比率は基本的に売価の10%未満に抑えるようにした方が良いでしょう。

たとえば、バイトさんの時給が800円なのであれば、仮に配達時間が片道30分で往復1時間=800円のコストがかかってくると。そこにガソリン代等々を加算すると、800円から900円ぐらいになってくる。それを10%未満にしようと思うと、「最低配送金額1万円以上」のように、最低配送金額を決めた上での物流の仕組みを作っていくということが大事になります。

あとは販促が5%、その他が5%ぐらいかかってきます。なので、売上を100%とすると、食材が35%、人件費が20%、物流が10%、販促が5%、その他諸経費が5%のトータル75%を差し引いた25%は残るように経営していけば、そもそも儲かるビジネスモデルですので、きちんとしたパッケージがあるフランチャイズに加盟したとして、その25%からロイヤルフィーを払ったとしても、十分な利益が出るということになります。

フランチャイズ加盟でパッケージの利点を生かす

たとえば実際、私の支援先で、とある寿司の宅配でFCをされてらっしゃる所も、大体1拠点あたり1億円売の売上を上げて、営業利益8%は出ています。それがなぜ可能かと言うと、そもそものビジネスモデル自体が収益が出やすいビジネスモデルになっているので、パッケージができたらより一層、販売がし易いからです。

宅配・ケータリング業界の時流予測

日本という成熟したマーケットの中で数少ない成長産業

今、日本のあらゆる産業は、ライフサイクルで既に安定期に入ってしまっています。特にこの宅配・ケータリングを始めようという会社は、飲食店や厨房設備を持っている宿泊業、結婚式場等が多いと思いますが、共通して言えることは、決して今、成長マーケットではないということです。
もう既に成熟してしまったマーケットの中で、いかにリピートのお客さんを大切にしていくかという戦いの中、この宅配ケータリングは数少ない成長産業なのです。

社会情勢を見ても『買い物弱者』と定義づけられるシニアのマーケットは今後ますます増えますから、これからどんどん伸びてくるマーケットなのは間違ありません。

長所伸展と市場成長の合致が業績を伸ばす

では業績を上げるためには何をするかという部分ですが、大前提はやはり長所伸展です。いかに自分達の長所を活かして、お客さんにピンポイントで合わせる店づくりをしていくかが大切です。
しかし、実は長所伸展だけでは売上が下がる場合があります。私の支援先の秋田県の焼肉屋さんは、地域一番店で非常に有名な会社さんなんですが、郊外のお店の業績が下がってしまいました。なぜかと言うと商圏人口がどんどん減っていっているんですね。それでシェアが上がっているにもかかわらず、業績が下がってしまった訳です。

つまり、長所伸展と市場の成長性、この2つが合致した時に初めて業績がグンと伸びるんですね。
では、「宅配ケータリング」における市場性はどうかと言うと、今日本でも数少ない成長ビジネスとして存在している。なので、業績が伸びやすいという点があります。

これから日本全体のことを考えると、円安に振れることで食材原価はさらに高騰していく。そして人件費も今後さらに高騰しますから、現状のビジネスモデルで営業利益率がギリギリの戦いをしていくと、将来的に非常に辛い戦いになるといういのはもう目に見えています。
そうなる前、今の段階で未来の種まきとして、伸びている市場で営業利益率が高いビジネスモデルを作っていく必要性があるのです。

データベース化、アフターフォロー、そして『えこひいき』が勝ちポイント

宅配・ケータリングは確かに今は、業界の時流として、チラシ、Web販促するだけで業績が上がる成長マーケットなんですが、10年、15年先を見ていくと、マーケットとして成熟してゆくことは明らかです。
そこを見越して今から何をすべきかというと、いかに『顧客管理』をしていくかと言うのがポイントになります。

つまり、1.いかに顧客名簿をデータベース化するか。2.いかにアフターフォローをするか。3.お客様の累計の利用回数を把握して『えこひいき』をしていくことができるか、この3つですね。
「顧客をデータベース化する」「アフターフォローをする」そして「えこひいきをする」。この3つを今からやっている会社さんが、必ずケータリング・宅配では勝っていきますので、ここをポイントとして抑えて、事業を展開して行っていただければと思います。

立地がすべての鍵!新規開業はまず商圏人口を把握すべし

成功する立地条件の計算式

宅配・ケータリングビジネスに新規参入するときに一番大事にしなければならないのは立地です。ではどのようにして、良いか悪いかを判断するかと言うと宅配・ケータリングは基本的に1人あたりの需要額は6,500円といわれています。この年間需要額6,500円を頭に置いた上で、商売しようとする立地の商圏人口が何万人か把握してください。
そして、下の計算式にその数字を当てはめて計算してみてください。

6,500円(宅配・ケータリングの年間需要額)× 商圏人口 × 26%(一番店のシェア率)

例えば、私の支援先のとんかつ店さんの例を見てみると、宅配ケータリングに新規参入する際に商圏人口を確認したところ30万人でした。

6,500円×30万人×26%=約5億円

この数字が旨味のある規模感なのかどうかを判断することによって成功の可否が分かります。
このとんかつ屋さんにとって、年商5億円の付加というのは非常にメリットがあったので宅配・ケータリングビジネスへの新規参入を決定しました。

厨房設備の規模も大切な判断材料

そして、2つめに大事なのが厨房設備の規模です。厨房設備1坪あたり、大体20万円くらいの売上は月間で見込むことができます。
たとえば、50坪の厨房設備がある場合は、50坪×20万円=月間1,000万円の製造余剰は作ることができる計算です。

宅配・ケータリング始める上で、一番最初に押えていただきたいポイントを2点を繰り返します。
1.皆さんがご商売される立地で、商圏人口がきちんと存在するか。
2.商圏は問題なかったとしても、造る余剰がなければ問題です。厨房設備がちきんとその売上目標を達するだけの規模感があるかどうか。
以上2点を押さえた上で、商売として宅配が面白そうか、まずはこれを把握していただければと思います。