国家資格不要！整体院とはこんな業種。
(株)船井総合研究所 チーフ経営コンサルタント 岡野 宏量
船井総研の治療院ビジネスコンサルティングチームを立ち上げ、整骨院・治療院業界へのコンサルティングに従事し、日々、全国の整骨院にお伺いする。
特技は、心理学に基づく「患者さんをファンにする対応方法」の徹底指導。現場に入り、具体的に施術スタッフに指導する一方、経営者の参謀として、集患、人材育成、組織作りなど経営全般に関わるアドバイスを行う。
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整体院という言葉には明確な定義が存在しません。一方、整骨院、接骨院、または鍼灸院やマッサージ院は国家資格が必要で明確な定義があると言えます。つまり整体院は、これらの国家資格の必要な業態とはまったく別の業態でいわゆる『施術産業』と呼ばれているものなのです。
施術産業とは何か
どんなお店を整体院と言うのか？
たとえば最近で言うと、骨盤矯正をメインでするものや、ストレッチを主なものとして提供するところもあります。
また最近よく街で見かけるリラクゼーションサロンなども、いわゆる整体業界に含まれるとお考えいただくのが良いんじゃないかなと思います。
整体院業界で繁盛店を作るポイントは？
先ほど挙げた整骨院、接骨院、鍼灸院または、マッサージ医院は、国家資格を持っている技術者が施術を提供しているもので、基本的には学校の教育を三年間以上受けて現場に出ていますので、技術的なものも担保されています。それに対して、整体院というのは民間資格ですから、品質のバラつきがあります。
ですからこの業界において、より多くのお客様を呼んで、いわゆる繁盛する医院、繁盛するお店をつくるといった場合には、この辺の品質管理といったものも、しっかりと頭に入れていただく必要があると思います。
伸びる整体院業界、そのワケは？
政府も予想する施術産業の躍進
日本というマーケットにおいて、この整体院業界が伸びて行く予想は、政府からもなされています。
整体院に限った業種というよりも、もう少し広く、代替医療やそれ以外の美容関係のエステとか、そういったものも広く含まれるものが、『施術産業』という広い括りで今後伸びて行くという予想が、実際の統計から出ているからです。
これから少子高齢化の波があって、人口は減って行きますが、その分、皆さんが「健康に対してお金を使う」というマーケットは伸びて行くと予想されるからです。長寿国であることも当然その理由の中に入ってきます。ですから健康産業の一つという位置づけである整体院は、当然需要が伸びて行くという訳です。
また国としては、健康保険の支出を減らしたい意向がありますので、なるべくであれば民間の会社に頑張ってもらって、医療費を削減できるような方向性にして行きたいという意図も、このようなマーケットが伸びていく予想の、ひとつの根拠になっていると考えられます。
繁盛店をつくる３つのポイント
『技術力』という『商品』の品質管理
まず１つめは、「技術力」です。整体院というのは「施術」という、人の手によって施すことで、患者様、お客様に対して価値を提供しているので、その技術力が有るか無い、または、上手いか下手かというので、繁盛するかどうかというのも決まってくるというのは、お察しいただけると思いますが、いわゆる商品の品質をどのように管理していくのかがポイントになります。
どの技術を自社の商品として据えていくかが大切ですので、ちゃんとした実績のある、信頼のおける技術といったものを、まずは会社の中に取り入れなければなりません。それは、誰かそういう権威のある人を講師として呼ぶなど、いろんな方法が考えれられますが、いずれにしても、しっかりとした技術をまず追求しなければなりません。
即戦力を生む教育システムの構築
２つめのポイントは「教育システム」です。１つめのポイントとリンクするのですが、どんなに素晴らしい技術が社内にあったとしても、実際にそれが短期間で習得できるものでないと、なかなか会社として収益が上がりません。
ですから、たとえ素人さんであっても、短期間で技術を習得できるような教育システムをしっかりと構築するというのがポイントになります。
職人を束ねるマネジメント力
そして、3つめのポイントは、「マネジメント」。何のことかと言うと、こういう職場で働きたい、こういう業種で働きたいという人は「職人タイプ」の人が多いものです。上に昇りたいとか物に頼ってなにかしたいというよりは、自分の腕を磨きたいという職人気質の人が多いと。
そういう人たちは「自分がやりたい事をやりたい」とか、「人の言うことはあまり聞きたくない」という傾向がありますので、それをいかに統率して管理していくのかという「マネジメント」です。これをきっちりできるかどうかは大切なポイントです。
これら3つのポイントをしっかりと踏まえることで、整体院業界の伸びにつれて皆様のお店も伸びて行くことができるのです。
