コンサルタントコラム

エステティック業界で絶対成功するための戦略!

岸本 隆行

(株)船井総合研究所 シニア経営コンサルタント 岸本 隆行

1996年船井総合研究所入社以来、一貫して美容分野のコンサルティングに携わり、特にスタッフモチベーションとブランド化を同時に実現する“モチベーション経営”“モチベーション販促”は手法として高い評価を受けている。 担当分野は、美容室、エステティックサロン、美容外科、美容皮膚科クリニック。 近年力を入れているテーマは企業内において女性の戦力化を実現する環境創り。

エステティック業界は、日本においては大体1970年代くらいにスタートした業界で、スタートしてから今で44年目くらい。44~45年経っている業界です。
要は「やるだけで儲かる」という、いわゆる成長期は過ぎてはいるんですけれども、大きく言うと、非常に「分化している」っていう、こういう状態にある業界だと捉えていただければ良いと思っております。

エステティック業界ここを押さえろ!大切な3つのポイント

エステティックサロンなりの強みを持つ

ここしばらくで大きな時流のポイントとしては3つありまして、1つはエステティックサロンと、それからクリニック、美容皮膚科と呼ばれるクリニックが、いわゆる共存する状態になっています。
ですから逆に、エステティックサロンはエステティックサロンなりの強みを持たなければならないし、昔のように、いわゆるシミが消えるとか、あるいは痩せるとかっていう事だけではお客さんを呼べなくなってきています。
もう一方で言えば、逆にエステなりの強さを持てば、圧倒的な売り上げをあげられるという、こういう状況になってきているっていうのがまず1つめです。

安定成長を見せる痩身マーケット

エステ業界そのものは、大きく言うと3つの種目に分かれていて、ひとつは「美顔」、フェイシャルと呼ばれる顔のマーケット。それから2つめは「痩身」、ダイエットと言われる、要は、体が痩せますよというマーケット。3つめが「脱毛」、毛を抜きますというマーケットなんですけれども、特に脱毛に関しては、レーザー脱毛という機器が普及することで、現状は非常にディスカウント化されている、価格競争に入っているという業界。これについても、病院でも脱毛が行われていますから、病院とエステティックサロンで競合しているというのが今の現状の状態であります。

「痩身」と呼ばれる、このダイエットのマーケットが今エステティック業界では最も安定成長している業界だと言えます。
これの背景にあるのは、特に従来お客さんとしては来なかった40代の女性が「痩身」をしに、エステティックサロンに来る方が激増しているので、非常に安定したマーケットを作っているっていうのが現状であります。これが2つめのポイントです。

ホスピタリティを重視した人材の採用・育成が鍵!

3つめのポイントは、「人材採用」それから「育成ノウハウ」に優れた企業が勝つ時代になってきています。
従来エステティックサロンを始める場合は、人材に対してお金を使うのではなくて、いわゆる施術、機械に投資していました。
高額な機械で、結果の出る機械を購入するサロンの売上げが上がるという傾向が非常に強かったんですけれども、これがむしろ、「こういうものを望む」という、具体的な結果を望むお客さんをクリニック・病院に取られることによって、一方でホスピタリティが非常に重要視されるようになったのです。
人材採用・育成ノウハウに優れた企業がエステティックサロンでは勝つ、こういうようになってきています。

エステティック業界新規参入に必要な事

専門特化したサロンであることをはっきりとアピール!

まず1つめが「主力種目」の問題です。
「痩身」にするのか、「フェイシャル」にするのか、「脱毛」にするのか、まずこの種目をどれにするのかっていうことを決定するのは非常に重要な項目で、特に今現状であれば「痩身」かもしくは「フェイシャル」にすることが非常に重要になってきます。
要は、「全部やっていますよ」という事ではなく、「痩身専門サロン」あるいは「フェイシャル専門サロン」ということを、ちゃんと消費者に対して知らせることで、専門性の高いサロンだという集客方法を取る。これが1つめのポイントになるというふうにお考えください。

Webサイトが新規集客の要

2つめは、新規集客媒体としてのWebサイト、ここを強化するっていうのは非常に重要な項目になってきております。
2012年くらいから、従来エステティックサロンというのは紙媒体、特にフリーペーパーを中心とした紙媒体で新規集客を行ってきたわけですが、2012年にWeb媒体とペーパー媒体の集客数というのは逆転しております。
もともとエステティックサロンにおける新規集客というのは、売り上げの根幹を成す部分ですから、この集客が毎月平均的に、ある一定数が必ず集客できるようなシステムっていうのは、経営上とても大切なポイントになるんですけども、そのポイントになっているのがWebサイトです。

貢献できるスタッフを育てろ

3つめが、スタッフの教育スキームを確立すること。要は、新人で採用してから半年間、それから1年間で、ちゃんと短期間で売り上げを上げられる「貢献できるスタッフ」を育成できるという教育スキームを会社の中で持つということです。
これはマニュアルというよりも、いわゆる販売のための教育体系を持つということで、実際には他のサロンとの差別化が圧倒的に現状行われているというのが事実であります。

以上3つが新規参入のポイントですが、業界としては、ポイントさえ押さえれば新規参入が容易な業界、ハードルが低い業界でもありますので、フランチャイズ加入などは、そういう意味ではひとつの選択と言えるでしょう。