コンサルタントコラム

これだけは知っておきたい!まつ毛・ネイルサロン業界の動向と経営ポイント

岸本 隆行

(株)船井総合研究所 シニア経営コンサルタント 岸本 隆行

1996年船井総合研究所入社以来、一貫して美容分野のコンサルティングに携わり、特にスタッフモチベーションとブランド化を同時に実現する“モチベーション経営”“モチベーション販促”は手法として高い評価を受けている。 担当分野は、美容室、エステティックサロン、美容外科、美容皮膚科クリニック。 近年力を入れているテーマは企業内において女性の戦力化を実現する環境創り。

まつ毛・ネイルサロン業界の動向と時流ですが、それぞれが日本において広がり始めて少し時間が経ったがゆえに、現状では一番店とそれ以外の格差が非常に拡大するような傾向になってきております。

まつ毛・ネイルサロン業界の最新動向

一番になる店つくりをせよ!

エリアにおける一番のお店になるということが、参入する上においては非常に重要なポイントになるんですけれども、簡単に言えば、一番店になるためのルールを守って営業上の展開を考えることが1つめのポイントになります。
単純に、綺麗なネイルが仕上がるだけではなくて、入りやすい店づくり。単純にまつ毛を作るのが安いお店ではなくて、友達がみんな知っている状態を作る。
そういう意味で言うと、店づくりと宣伝(広告・Web)が大切なポイントとなります。これが1つめのポイントです。一番店になる。一番店とそれ以外の格差が拡大している、これが1つめです。

都心部と地方では流行の業態が違う

2つめは専門店と美容室とかの併設店の競合が激化している事です。

大きく言いますと、都心部においては専門店、まつ毛の専門店であったり、あるいはネイルの専門店であったりが勝つ状態になりますし、地方になりますと、美容室との併設店が非常に目立つ状況になってきております。これはどちらが良いというよりも、地域立地に合わせた展開が大切だと言うことです。

都心から地方まで、マーケットは広範で台頭

3つめは地域立地の店舗が現状台頭してきている事です。実際に、たとえばネイルのサロンが一気に日本で広がったのが、1990年代後半と2000年代前半ぐらいでしょうけど、広がり始めた頃は、当然のことながら東京都心部であったり、あるいは大阪の市内中心部であったりといったところが中心で広がって行ったんですけれども、現状はそれが地方に波及して行って、いわゆるロードサイドの店舗であったり、住宅立地の店舗であったりといったところが現状は増えてきて、それだけ普及しているということであります。

開業する為に必要な事!

「美容師免許」が特別な武器になる

「まつ毛」サロン開業においては、今いわゆる資格制度の問題が見直されております。
※まつげエクステの施術には美容師免許が必要で、サロン解説の際は保健所への美容所の登録が必要です。
今後いわゆる美容師免許を持っている人でなければ施術ができなくなる可能性があります。
そういう観点で言うと、現状、美容師免許をお持ちの方、あるいは美容室において新規参入されるというのは、非常に有効な手段になってくると考えられます。
逆にこの部分について、まつ毛エクステ、アイラッシュのサロンにおいては、非常に大きな差別化ポイントになるだろうと、このように考えております。

収益モデルを確立せよ!

2つめ、これはまつ毛サロン、それからネイルサロン、その両方に言えることなんですけれども、いわゆる集客力だけではなくて、収益モデルを確立すること  が非常に重要なポイントになります。
要は、2つの種目とも、いわゆる美容の領域の中では、新しいお客さんを呼ぶという点では非常に集客力があって、どんどん新しいお客さんが来てくれるんですけれども、実際には、1日にこなせる人数をどこまで増やせるかによって、利益が出る、出ないというところが結構境目としてあるわけです。ですから新規参入される際には、「1日の客数×客単価」という観点で収益を生み出すそういう価格設定をすること。それから1日にこなせる人数を増やすためのオペレーションを組むこと。この2つが新規参入では大きなポイントになります。