コンサルタントコラム

フランチャイズビジネスの魅力

(株)船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント 菅原祥公(すがはらよしひと)

『どのような企業にも必ず“存在意義”があり、常に“長所を核とした成長の種”はある』をモットーに、企業の三宝である「理念やトップのビジョン・戦略」、「マーケティング」、「人・組織・マネジメント」そしてその結果としての「財務」といった各要素を多角的に判断し、事業全体のデザインを再構築していくことをテーマにコンサルティング活動している。

経営戦略・経営計画を中核にし、株式公開をはじめ、事業再生や事業承継がからんだ事業計画立案、M&A案件にも多く関わっており、現在、船井総研の海外コンサルティング部門・経営戦略コンサルティング部門及び大手コンサルティング部門を統括している。

フランチャイズビジネスの魅力度と成長性、それから成功におけるポイントというふうな話を、本日させていただきたいと思います。

まず、フランチャイズビジネスですけども、実は日本の傾向でいうと、消費が減退している中、FC(フランチャイズ)事業というのは、ここ数年ずっと(伸び率は少ないが)年率1%から3%の間で、毎年伸びていると。

実はFC事業というのはですね、本社が今1300社ぐらい日本にあって、規模で言うと24.5万店、22兆円強あるという、すごいビックビジネスなんですね。では、なぜ伸びているか?というところの話を、まずさせていただきたいと思います。

資本、情報、ノウハウ、人、全てを集中しないと今は勝てない

日本の今の事業動向はどうなっているかというと、今まで右肩上がりでずっと成長してきた中で、同じやり方、同じ内容をやっていると、日本の市場はどんどん小さくなっていって、非常に厳しい状況になっていると。

その中で、企業は何が必要になるかというと、お客さんと商品、サービス、もしくはノウハウというのを、かなり絞り込んで「圧倒的に一番」とか、かなり強いビジネスモデルを作らないと、今後、日本の中では生き残っていけないというふうな状況になっています。

ということはですね、企業が持っている資本とか、情報、ノウハウ、人、全てを集中しないと、今は勝てないということになっているということです。

異業種からの参入は「少しだけずらす」がポイント

実は景気がここ1年2年、若干上向いているんですけども、船井総研にですね、上向いて来るとご依頼が多いのは「新規事業をやりたい」と。
でも新規事業というのは、大体10あれば成功するのは、1~2個ぐらいという非常に厳しい内容なんですよね。

なぜ成功しないかというと、最も成功しないパターンというのは、自社のお客さんとか商品・サービスとは全く関係の無い領域に出て行くと、ほぼ失敗します。

先ほど言ったように、それは何故かというと、ものすごく今、どの市場でも競争が激しくなって、高いノウハウとか仕組みがないと勝てない状況なんですね。

私どもが新規事業をお手伝いするときにはどうするかというと、スライドマーケティングという話をよくするんですけども、自社の持っているお客さんを活かすか、もしくは、自社の持ってる商品・サービスというふうなところを活かすか。しかも、どちらかを活かしながら、全く違うところに飛ぶんじゃなくて、少しスライドさせる、少しだけずらすというふうな市場を狙いなさいと。じゃないと、新規事業ってなかなか成功しないとよということを言ってます。事実、そうしないと、なかなか難しいというところなんですね。

唯一、実は全く商品もサービスも、それからお客さんも変えて成功する方法が、唯一と言いますか、大きく言うと2つあるんですね。

そのひとつが「M&A」と言われているやつで、時間とコストを買うために、その市場に出ている良い会社さんを買うと。
もしくは、M&Aに近いんですけども、そういう市場の人を引っ張ってきて立ち上げるというふうなところが1つは成功のポイント。

フランチャイズの有効性=高いノウハウと競争力

で、実はもうひとつあるというのが「フランチャイズ」です。フランチャイズというのはですね、先ほども言ったように市場では伸びていると。
フランチャイズの有効性というのは、お客さんと商品・サービスを絞り込んで、非常に高いノウハウをお持ちであると。そこに加盟すると成功しやすいというふうなところがあります。

フランチャイズビジネスというのはですね、これからで言うと、高い競争力をお持ちのフランチャイズに加盟すると、先ほど言ったように、全く違う領域に入ることも可能であると思っています。
市場でも伸びていますし、これからの日本の収縮市場、均衡市場の中でも、まだまだ伸びでいくんじゃないかなというふうに、私どもは思っています。

そもそも「フランチャイズビジネス」って何なのか?

よくもうひとつ、私どもに問い合わせがあるのが、「どんなフランチャイズに入ったら良いのか」とか、「フランチャイズとして、どうしたら成功するのか」という話をよく聞かれます。

このFC事業、実は私ですね、FC事業の本部を今も1社立ち上げしていますけれども、大体数年に1社ぐらいのペースでFC事業の立ち上げ自体のお手伝いをさせていただいてるんでが、そもそも、フランチャイズビジネスって何なのかというところを皆さんに知っていただかないといけないんですけども。
本来一番良いのは、自社の「人」と「物」と「金」と「ノウハウ」を使って、全国もしくは世界に展開していくというのが、最も、本来は一番良いんですね。

でも、FCビジネス本部をやられるというところは、実は情報とノウハウというのは自社で持っているけれども、もう1つビジネスで欠かせない、「人」と「お金」というこの2つはほぼ持っていないと。
それを他社の、他人の資本、もしくは人を使って展開しようというのが、FCビジネスの根幹的なところです。これをまず理解しないといけないですね。

ということはですね、FCビジネスの本質的なところというと、情報とかノウハウとか仕組みというのが、先ほど言ったように、本当に日本で圧倒的に勝てるモデルを持っているかどうかという見極めだけは、絶対しないといけないです。

これがそんなに間違っていなければ、2つめに成功するポイントは何かというと、お金を出すのと、人を出すのは、加盟する会社さん(もしくは人)の方です。
世の中にメガフランチャイジーと言われているものを皆さんご存知ですかね?メガフランチャイジーというのは、フランチャイズばかりに加盟して、公開までもっていくような会社なんです。これがポイントで、FCに加盟してでも大きくなるところの最大のポイントというのは、人のオペレーションが非常に上手なところなんですね。

・・・続きは下のボタンをクリックして動画でご覧ください。